真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

5月 朝礼

2018年05月01日

爽やかに晴れた青空の下、5月の朝礼が行われました。校長先生は次のように話されました。

「これから連休を迎えますが、目標設定について是非点検してみて下さい。その際には『目的』と『目標』の違いをしっかり区別することが重要になります。

例えば、『弁護士になって社会貢献をする』という目的を設定したとします。このとき、一般的には大学の法学部へ進学し、その後2年間の法科大学院に進学し、司法試験の資格を得るという目標設定になります。しかし、それ以外にも3年間の法科大学院に進学したり、司法試験予備試験に合格するという目標を立てることもできます。

どの道もとても難しいですが、目的が1つなのに対し、目標設定は複数あるということです。

別の例を挙げます。ノーベル賞受賞者の京都大学iPS細胞研究所長である山中伸弥教授は、神戸大学を卒業後、整形外科の臨床研修医として勤務していたのですが、他の医者が20分で終わる手術に2時間もかかったりして、邪魔者扱いをされてしまったそうです。

ここで山中教授が目標と目的を一緒にしていたら、自信を失い挫折していたかもしれません。しかし、目標設定を変更したのです。重症患者を救うために、彼は研究者を志しました。当初の目標は達成されていませんが、山中教授の目的である、医学による社会貢献は世界的な成果を上げ、目的に大きく近づいたことになります。

目標は、目的に近づくためにいつまでに何をするか、であり、複数の選択肢があります。状況により変更することも、周りの力を借りることもできるでしょう。それに対し、目的は自分で考え抜いて自分で決めなければなりません。まだ目的が明確に決まっていない人は自分で目的を考え抜いて下さい。

『目的』が明確になれば『目標』の設定がより具体的、柔軟になります。この区別により、挫折からの立ち直りも早くなります。高校生の皆さんは、失敗を恐れずチャレンジすることが大事です。なんとしても達成したい目的を決め、すぐに行動に移しましょう。皆さんの果敢なチャレンジを期待します。」