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2007年04月09日の記事詳細

平成19年度 1学期 始業式

2007.04.09

Never never never Give Up!

Day by day in every way I'm getting better and better !

「毎日、毎日、あらゆる面で、僕はどんどん良くなっているんです。」

 

これは、オグ・マンディーノという作家の著した「十二番目の天使」という小説の中で、エンゼルスという少年野球チームの監督だったジョンに、少年ティモシーが残した言葉である。

監督を引き受ける前まで、ジョンはコンピュータの会社を経営し、上り坂の絶頂にあったのだが、ある日突然、自動車事故で最愛の妻と子を亡くしてしまった。絶望の淵にあった彼は、何度か自殺を図ろうとしていた。大学時代有望な野球選手であったジョンに、親友のビルが地元の少年野球チームの監督を引き受けるよう誘ってきた。熱心な誘いに、ジョンは重い心を引きずりながら引き受けたのだった。

 4チームに12人ずつの子供が別れ一年間のシーズンが始まる。

登録した子供は48人で、全員がグラウンドでバッティングや守備のトライアルを行い評価される。少年ティモシーは、その中で一番小さくて、ひ弱で、へたくそだった。そしてその後の選抜会議で4人の監督が48人の子供を順番に選んでゆく。ジョンは最終回の選抜の4番目つまり最後の1人を選ぶことになった。

その最後の十二番目の天使が、ティモシーだった。

 

そのリトルリーグの規定では、登録された12名の全員を必ず毎試合一度は出場させなければならなかった。いつもエラー、そして三振のティモシーは、チームのメンバーからもお荷物扱いだった。でも、ティモシーは必死になって練習し、毎試合必ず出てきて、どんなときにも精一杯のことをしようとしてきた。同情を買おうとする素振りも見せない。うまくできなくても決して落ち込んだりしない。そればかりか、チームメイトの全員に誰よりも大きな声援を送っている。 

ティモシーのエラーで負けた試合の後、空っぽになった球場で芝生の上で座って頭を垂れていた。

ジョンはそっと声をかけた。「ここにいれば、何であんなエラーをしちゃったのかわかるかもしれない」と言うティモシーに、ジョンは「グローブを見せてみな」と言う。その代物はジョンが今までに見た、もっともズタズタのもっとも使えそうにないグローブだった。数日後、ジョンの亡くなった息子の新品同様のグローブを手にして、目をきらきらさせてジョンとキャッチボールをするティモシーの姿が球場にあった。 その日もティモシーは仲間たちに休みなく声援を送り続けていた。彼はまだ一本のヒットも打っていないただ一人の天使になっていた。彼はその日も一度だけの打席で、またもや空振りの三振だった。しかし彼はあらゆる投球に必死で食らいつこうとしていた。何度空振りしても絶対にあきらめるそぶりを見せないのだ。

 

その日の帰り道、ジョンが車を運転していると、暗くなった歩道を小さな人影が歩いていた。ティモシーだった。ぼろぼろになった自転車のチェーンが壊れ、歩いて帰る途中だった。乗せて家まで送る。町のはずれにある掘っ建て小屋のような家に母と二人で住んでいた。あまりのみすぼらしい建物に、ジョンは言葉が出なかった。ティモシーの母親は、涙を流し感謝する。そしてジョンに言う。

 「この子にとって何よりもラッキーなことは、あなたがこの子の人生の中の、今のこの時期に、現れてくれたことです。本当にありがとうございました。」

ティモシーは時々足下がふらついたり、走っているときにつらそうにしているときがあった。ティモシーは何でもないと言っていた。

ティモシーにはかかりつけの先生がいた。 ある日、ジョンはその医師から、ティモシーは髄芽腫と言う脳腫瘍に罹っていることを聞く。そして本人もそれを知っているが、そのことを誰にも知られたくない。それは特別扱いされたくない。ほかの11人と同じように扱われたい。ということだった。ティモシーはいつでも必死でプレイし続けた。もっとうまくなろうとしていつも精一杯努力していた。

それに、いつもチームメイトたちを必死に応援していた。

Never never never give up" 

そして、エンゼルスは優勝決定戦で勝ち見事優勝する。ティモシーも初めて母親が観戦する中で初ヒットを打つ。相手の速球投手からなんと同点のタイムリーを打ち、勝ち越しのホームを踏んだ。そして、優勝投手をチームメイトがかつぎ上げ、優勝のダイヤモンドを行進し始めた。行進が3塁ベースまでさしかかったとき、突然、もう1人の天使がかつぎ上げられた。ティモシーだった。その小さな天使は、両手の拳を夢中になって高く高く差し上げていた。 

 

一生懸命勉強するということは、自分の人生の中で、本当に良かった人と出会えることやすばらしい感動を獲得するためなのだと言えるのではないかと思います。

そのために、今日はティモシーが残したこの2つの言葉を贈りたいと思います。

 

Day by day in every way I'm getting better and better !” 

Never never never give up

 

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