> 平成20年度 2学期始業式

2008年09月01日の記事詳細

平成20年度 2学期始業式

2008.09.01

2学期は1年間の中で期間がもっとも長く、9月の文化祭、体育祭、11月の2学年修学旅行など学校行事も多く実施されます。

また部活動では、運動部は新人大会、秋季大会、冬の選手権、文化部でもコンクールなど公式の大会が目白押しです。更に、進路関係では、三年生の大学等の推薦受験、AO入試、一、二年生については将来の希望実現のための準備や勉強等、最も重要な時期であるといえます。

 

8月26日、「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が拉致され、遺体で発見された事件はたいへん残念なニュースでした。ペシャワール会とは中村哲という医師を代表とするNGOです。彼は九州大学医学部卒業後、国内の診療所勤務を経て、パキスタンのペシャワールで貧困層の診療に当たり、その後、戦火の中、死と隣り合わせでアフガンに三つの診療所を設立、更に、大干魃に見舞われた荒れ果てた地に灌漑水路を建設する総指揮官でもあります。中村氏は、伊藤さんについて「砂漠化する農地をなんとかしようと最前線で働いていた。他の人が狙われても彼だけは大丈夫というほど現地になじみ、人々に好かれていた。大勢の村人が捜索に加わり、みんな悲しんでいる」と話していました。

アフガンで長年活動を続けてきた同会も、治安悪化を受けて、約20人いたジャララバードの日本人スタッフの半数を4月に帰国させ、残りも年内に出国させることになっていました。「用水路の事業があり、何とか突貫工事でやり遂げようとしていた」のだそうです。「以前は日本人なら大丈夫だったが、4月ごろから対日感情も急速に悪化していた。伊藤くんをとどめた私が悪い」と中村氏は悔やんでいました。

しかし、伊藤さんの遺志を継ぐためにも、現地の人たちで事業は継続するそうです。「ソ連が来た時も、米軍の空爆時も活動を続けた。治安の悪化は武力では解決しない。空腹を満たす環境をつくることが大切だ」と持論を述べ、「アフガンのために働いたのにアフガン人に殺されたと断罪しないで欲しい。ほとんどの人は我々の事業に感謝している」と訴えました。(新聞・ニュースより)

この報道を通して、私は悔しさ、そして怒りがこみ上げてきましたが、その直後、何ともしがたい無力感に襲われました。はたして正義を貫いた日本の青年の死は何だったのかと。でも、私はまだまだ浅はかであると思い知らされました。それは中村哲氏が、日本の若者たちへ贈ったメッセージに再び目を通したときでした。

「経済不況を回復すれば幸せが訪れると信ずるのは愚かである。人の幸せは別の次元にある。人間にとって本当に必要なものは、そう多くはない。何が真実で何が不要なのか、何が人として最低限共有できるものなのか、眼を凝らして見つめ、健全な感性と自然との関係を回復することである。」

君達は今回の事件を通して何を感じたでしょうか。是非、考えてほしいと思います。

 

最後に、君達が、部活動にせよ、勉強にせよ何かの目的を達成しようと、苦しみながらも力を振り絞って生きているとき、強いオーラが放たれ、私は感動を覚えます。

何よりも大切なことは結果に至る過程で自分を向上させたかどうかです。授業も部活動も同じ。目の前のことに全力を集中させ、自分を向上させるかどうかです。すべてを尽くして失敗した、その失敗の数ほど人は向上し強くなれるのです。

それができているかどうか、私は授業や部活動をするときの姿勢を見ているのです。「しっかりできている。」「毎時間挑戦している。」そういう意気込みを見せてほしいのです。先生・生徒ともに勉強し、お互いの努力で、能力を伸ばす学校を創造していってほしいと願っています。一人ひとりの生徒諸君そして先生方に心から期待しています。

  • 前の記事へ
  • 記事一覧へ
  • 次の記事へ

学校紹介