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人のしあわせとは…何か?

2009.10.01

この瞬間にやっているものが
入試そのもの
と思って勉強しよう!

10月1日…今日は衣替えで朝礼がありました。

今日の校長先生の講話は、
体育祭で役員として活躍した陸上部の生徒らへの
感謝の言葉から始まりました。
そして、
一生懸命競技する人、その姿を応援する人
そこから得られる一体感の素晴らしさを語られ
体育祭成功ということから、
さらに、
成功の中味の質を高める努力をしようと諭されました。

さらに具体的に
受験が迫った3年生に対しては…

苦しんで得たものを結実させて欲しい。
受験までがんばる…
というのは言うまでもないことだが
大切なのは、
今というこの瞬間にやっているものが入試そのものだ
と思って勉強するということだ。

また、
1、2年生に向けては…

スタートは早いほどいい。
少しずつでもいいから、毎日の積み重ねが大切だ。
部活を本気でやる人間は、
勉強と部活の切り替えができるはずだ。

そう檄を飛ばされました。

次に校長先生は…
生徒たち全員に…”しあわせ”…の意味を考えるヒントとして、
天才バイオリニスト千住真理子さんの体験談を引用されました。

人のしあわせとは…何か?
豊かさとは…どういうことなのか?


<要約>
千住さんは大学生の頃、

「千住のやっていることって非生産的なことだよね。
 もっと生産性のある仕事をするべきじゃない。」

と友人に言われ、
人が音楽によって救われることがあるのだろうか?
ということを考えるようになり、
一度バイオリンを弾くのをやめたそうです。
数年後、
ボランティア活動の一環として、
戦禍から復興しようとしている地域に行き、
音楽で現地の人達に、気晴らしでいいので
演奏してもらえないかと声をかけられ、
紛争で荒れ果てたある街を訪れます。

「戦争が終わった直後の人たちが音楽を求めるだろうか?
 必要としているのは水、物質、お金ではないのか?」

そんなことを思いながら、
絶望に沈む瞳をした人たちの前に千住さんは立ちました。
目をつぶって演奏しはじめた千住さんは
場内の熱気に気づき目を開けます。
すろと、そこには…
キラキラ突き刺さるほどの瞳がありました。
演奏が終わると千住さんはたくさんの人々に囲まれていました。
そして、

「あなたの音楽を聴いていて…人を憎む気持ちが消えた。」

そう言って現地の人達が
少ないはずのパンを彼女に差し出したのだそうです。
心配する千住さんをよそに、人々はこう言ったそうです。

「私たちはまずしくなんかない。
 お金はないけれど、心は豊かなのさ。」

その時の穏やかに笑った情景と彼らの澄んだ瞳を
千住さんは忘れることができないのだそうです。


千住さんの話を終えると
校長先生はこう生徒達に語りかけました。

勉強でもスポーツでも
試験に合格したり、試合に勝つためだけにやっているのではない。
人のしあわせとは何か、
豊かさとはどういうことなのか
そういったことを考えるために、
苦しいこともやっているのではないか。
私はそう思います。
みなさんも千住さんの話が
人としてのしあわせを考えるきっかけ
になってくれればと思います。



みんなジーンと感じ聞き入っていました。

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