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謹賀新年

2010.01.01

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

さて、2010年最初の話題は…

校長先生の朝礼でのお話をお届けしましょう。

今回の校長講話では
作家、平岩弓枝さんの短編小説をまず紹介されました。

<要約>
神職の家に生まれた私のところに
ある時、豆まきの様子をみたいと言って友人が遊びに来た。
いざ、豆まきが始まると
投げられる縁起物を奪い取ろうと
やぐらの周りには人だかりができて容易には近づけなかった。
そんな人だかりのすぐ近くで、
1、2歳の子が心細そうにみていた。
どうやら母親は群衆の中にいるらしい。
すると、そのおちびさんの足下に
偶然、ミカンが転がってきた。
そして、
その子が拾い上げたまさにその瞬間、
小さい子の手からミカンを
50、60歳のおばさんがひったくった。
その子は何事が起こったのかと、
茫然自失で立ちすくんでしまった。
その一部始終を見ていた私たちはいたたまれない気持ちになって
友人は、その子にどうしてもみかんを渡したい感情にかられ
群衆の中に果敢に飛び込んでいった。
素人には容易にとれるようなものではないと
私は経験からそう思っていたので
その場に残り、その子の様子を見ていた。
すると、
小学校低学年の男の子が近寄ってきて
持っていたみかんをその子に差し出したではないか。
その子は驚いた顔をして、そのみかんを受け取った。
しばらくして
片手にスーパーの袋を持った坊やのは母親が戻ってきた。
どうやら少し収穫はあったのだろう、袋は膨らんでいた。
だが、その子の手にあるミカンには目もくれず、
二人でその場を立ち去ろうとしている。
私は、
「お宅のお子さんのみかんは、こちらの子どもさんが渡したものなんですよ!」
と言うのもお節介だと思えて、声をかけられずにいた。
そうすると、
小さい子はまだ十分に言葉で表現することができないのであろう、
手をあげて、
バイバイ、バイバイ
と必死にミカンをくれた少年に向かって叫んでいた。
小学生もからっぽのビニール袋をポケットにしまって
それに答えていた。
あのミカンはしあわせものだ。
私はその光景をずっとみていた。
たかがミカン、されどミカン

DSC_3274school.jpg

このような内容のお話をされた後、
校長先生は生徒たちに語りかけます。

みなさんの中にもステキな心を持ち、
絶え間ない苦しい努力を続けていている人がいると思います。
すばらしい人間になるよう期待しています。

シンプルに生徒たちに訴えかけたお話は
新年を迎えたすがすがしい校庭で
素直に心にしみいるものでした。

 

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