校長室便り

秘訣は我慢する心にあり

2011.08.19

人生は一回しか生きられない。

しかも、

自分の感性でしか生きられない。

今日の校長先生のお話は、まずは、終戦の話をあげられ、今までの日本の発展を振り返り、“日本人の際立った勤勉さ”を指摘されました。

そして、震災以降の日本の復興に向けて若い世代も辛抱している姿は頼もしいとも語られました。

 

続いて、夏休み中の部活の活躍をあげられました。野球部ベスト8の活躍、また、校長先生ご自身が応援にも行かれた、インターハイでのサッカー部の試合展開を語られました。

 

 

優勝候補筆頭であった青森山田高校との試合華麗なパスサッカーで見事な試合運びで角度のないところから決めたFWのシュート!試合を見ていて、勝った瞬間は本当に感動して隣の保護者と抱き合ってよろこんだそうです。そして、感じられたのだそうです。メンバーだけではない、応援している生徒の気持ちもひとつになって勝つということが真の勝利と言えるのではないかと…。

 

そして、生徒達にこう語られました。

よろこびは、分かち合えば、何倍にもなり、かなしみは、何分の一にもなる。ここにいる武南の仲間とそういう人間関係を築いてくださいと…。

 

また、アイオワ州立大学の実験での話もされ30センチ四方、高さ56センチの箱の中で1本のライ麦を4ヶ月植え、泥を落としてすべての根の長さをはかると11200キロあったのだそうです。

そこから校長先生は、植物に比べれば、人間はもっと複雑で、しかも、愛、理想、希望といった感情も持っていると指摘され、こう問いかけられました。

 

 

「みなさんは、部活でも勉強でもなぜやっているのか?

 昨日の自分より良い自分になりたいからですよね。

 人生は一回しか生きられない。

 しかも、自分の感性でしか生きられない。

 勉強したり、本を読むことから

 自分では生きられない人生を知り

 部活を仲間と続けることで

 自分だけでは味わえないよろこびを手に入れる。

 

 その秘訣は何だと思いますか?

 

 我慢することです。

 

 部活でも我慢すること多いでしょう?

 勉強も楽しくなるまで我慢する!

 本も楽しくなるまで読んでみる。

 

 どうか我慢のできる生徒であってください。」

 

 

今日も暑さに負けない熱いお話しでした。

 

 

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6月の朝礼

2011.06.01

しあわせは心のあり方が決める。


今日から衣替え、梅雨の合間をぬって、夏服になった生徒が校庭に集まりました。



今日の校長先生のお話は、大震災にともなう節電を呼びかけ、そのあとに、生徒たち全員に…“しあわせ”…の意味を考えるヒントとして、天才バイオリニスト千住真理子さんの体験談を引用されました。

人のしあわせとは…何か?
豊かさとは…どういうことなのか?

このお話は、昨年10月の朝礼でも紹介されたものですが、大震災があった今だからこそもう一度、新しく武南に迎えた1年生とともに豊かさの意味を考えさせるきっかけになりました。



<要約>
千住さんは大学生の頃、

「千住のやっていることって非生産的なことだよね。もっと生産性のある仕事をするべきじゃない。」

と友人に言われ、人が音楽によって救われることがあるのだろうか?ということを考えるようになり、一度バイオリンを弾くのをやめたそうです。
数年後、ボランティア活動の一環として、戦禍から復興しようとしている地域に行き、音楽で現地の人達に、気晴らしでいいので演奏してもらえないかと声をかけられ、紛争で荒れ果てたある街を訪れます。

「戦争が終わった直後の人たちが音楽を求めるだろうか?必要としているのは水、物質、お金ではないのか?」

そんなことを思いながら、絶望に沈む瞳をした人たちの前に千住さんは立ちました。目をつぶって演奏しはじめた千住さんは場内の熱気に気づき目を開けます。
すろと、そこには…
キラキラ突き刺さるほどの瞳がありました。
演奏が終わると千住さんはたくさんの人々に囲まれていました。
そして、

「あなたの音楽を聴いていて…人を憎む気持ちが消えた。」

そう言って現地の人達が、少ないはずのパンを彼女に差し出したのだそうです。心配する千住さんをよそに、人々はこう言ったそうです。

「私たちはまずしくなんかない。お金はないけれど、心は豊かなのさ。」

その時の穏やかに笑った情景と彼らの澄んだ瞳を千住さんは忘れることができないのだそうです。

千住さんの話を終えると校長先生はこう生徒達に語りかけました。

人のしあわせは、その人の心のあり方が決める。


震災で不自由をしている人が多いということを想像することは難しいことではないでしょう。校長先生のおっしゃられた『心の在り方』でピンチもチャンスに変えてチャレンジしていきましょう。

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1年生保護者会での校長講話

2011.04.24

1年生保護者会での校長講話

桜が散った中庭の主役が変ります。 ここにきて存在感があるのが…ツツジです。 日に日に緑が濃くなる武南桜の木の下で …1年生は良いスタートを切ってくれたでしょうか? 

 

1年生の教室をのぞくと 、各部活の募集メッセージが書き込まれています。 是非、部活に入って自分自身の武南時代を創りあげてくださいね。 

 

1年生の保護者会がありました。

校長先生はお話の中で、保護者の方々からのお話に耳を傾けながら 「武南に来て楽しかった。良かった。」と言ってもらえるように 教師陣も頑張っていきたいという決意表明でした。

そして、武南高校に赴任してからの名場面を3つ紹介されました。

<校長先生のお話>

就任して1年目から感じていることがあります。それは、武南生の式や朝礼での聞く態度です。 私は県立高校7校を経験してきましたが、どの学校よりも今の武南生の方が話し手の顔を見て しっかりと話を聞いてくれると感じています。 人の話に耳を傾けることなく 自分の主張のみを連発する人が多くなっている中で、 真剣な話し手に呼応して真剣に耳を傾けるという姿勢こそ、 民主主義の原点であると思います。 そういう点で武南生は素晴らしいと思います。

人はできそうもないと思ったことでも、 仲間と取り組むことで連帯感が生まれ、 更に一段上って切瑳琢磨する集団に変化することがあります。 昨年の文化祭で演じた2年のあるクラスの英語劇(ミュージカル)は 正にそれを感じさせてくれました。 クラスのひとり一人がそれぞれの役割を受け止め、 舞台の上でも下でも勤めを果たし、 1つの作品を仕上げ見る人にも感動を与えました。 これぞ、見事に壁を越える力を得た瞬間だったと思いました。

一昨年7月、灼熱の埼玉スタジアムサッカー場、 関東プリンスリーグ最終戦でした。 我が武南は、伝統の白と紫のユニフォームを身にまとい、 強敵を相手に互いに一歩も譲らない好ゲームを展開しました。 共に全力を出し合い終わりのない試合のように思われた終盤、 ゲームを作っていたMFのピンポイントのパスを 胸でトラップした最も頼りになるFWが、 見事なループシュートをキーパーの頭越しに決め、ゴール! 武南のAグループ復活を成し遂げまし。
感動したのはこれだけではありません。 彼らは疲れ果てたその足で、 勝利の感激を味わう時間さえ惜しむように、 川口の青木公園球場へ向かったのです。 同じクラスの仲間たちが出場する 夏の高校野球選手権県予選を応援するためでした。 そして、力の限り声援を送り仲間を鼓舞しているのです。 「すごい奴らだな、人間として心から尊敬できる生徒がここにいる。」 心の底から感動させてくれる生徒が武南にいると確信しました。 

 

1年生のみなさん、 部活に、勉強に… 校長先生の胸にも残る伝説を創る…そんな3年間になるように 何事にも積極的に挑戦していきましょう!

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3学期始業式

2011.01.11
世界を知るということは自分を知るということだ。

3学期始業式
校長先生の講話は
勉強でも部活でも、
まず一生懸命になれというところから始まりました。


冬休みには
身体を鍛え、頭を鍛えた生徒が多いと思います。
一生懸命に取り組むことは
苦しく、辛い。
でも、苦しく辛いことを乗り越えると
素晴らしいものが身につくのです。
それはなぜか。
今日は、その理由を話したいと思います。

みなさんも知っているように
日本は世界の中でも厳しい状態にあります。
これから先、
みなさんの20代、30代、40代、
みなさんにもいずれ訪れる老後において、
今のような生活ができるのか?
おそらく、今、みなさんは、
実感できないだろうと思いますが…。
そんな世の中だからこそ、
どう生きていくか、本気で考えることが必要だと思います。

では、それが、なぜ、
部活、勉強に一生懸命になることに結びつくのか?

実は、部活や、勉強で一生懸命になるということは
自分の頭で考えるということではないでしょうか。
部活なら、面白くもない基本練習、
勉強なら、受験に関係のない科目だって、
自分を知るということに、役立つのではないでしょうか。
もちろん、得意不得意、上手い下手はある。
なら、自分の良いところを伸ばせばいい。
人と同じことをしていてはだめ。
自分を知り、世界を知る。
つまり、
世界を知るということは自分を知るということだ。

人生の目的は賢くなるということ。
この機会に、
自分の生活に密着させて考える習慣を身につけて欲しい。


今年も一生懸命になってみよう!
そういう気持ちになるお話でした。

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2学期終業式

2010.12.22

終業式

今朝の校長先生のお話は、
日本科学未来館 館長 毛利 衛さんが
科学シンポジウムで
高校生の質問に答えた時の話を取り上げました。

高校生が質問したそうです。

「私たちが社会に貢献するには何をしたらいいのですか?」

すると毛利さんは、

「人間、生き物というのは、自分の命を自分で守る。
 そして、次の世代を作っていくということが
 社会貢献ということになるのではないでしょうか。
 学校は、そのための訓練の場、
 小学校では読み書き計算を覚え、
 中学では他の国との交流をはかるための準備として
 英語などを習い始め、
 高校では、
 将来社会の役に立つ自分の能力を見つけ、
 社会に還元できる能力を身につけて欲しいと思います。」

そのように答えられたのだそうです。

校長先生は、そこから

「武南のみんなはどうだろう?」

と全校生徒に問いかけられました。


(監督からの練習メニューを見つめる野球部部員)

「みなさんは、授業、部活に
 生活のほとんどが占められているかもしれない。
 ですが、能力をみがくチャンスは平等
 ひとりひとりの行動次第なんです。
 授業中、
 教師が板書しなかった大切なことをメモっていますか?
 文系だから理数教科には手も付けないなどと、
 受験には関係ないからといって手を抜いてはいないか?
 社会では、専門外のことを知っている者が
 重宝がられるものですよ。

 部活は「勝ち」がすべてという気持ちで努力するものです。
 青春をぶつけてがんばれば
 昇華された世界と呼ぶべき体験もするでしょう。
 ですが、
 試合の最後の瞬間は、ひとり、1チームのみが勝利します。
 そして、多くの人が、
 そこで終わりと考えてしまいます。
 ですが、終わりではなく、ここからが始まりなのです。
 今までしてきた自分の努力を見つめ直してみてください。
 そうすれば、
 新しい世界を切り開こうとする
 自分自身の存在に気づくはずです。
 それが大事なのです。

 二兎を追う者は…といいますが、
 私はあえて“二兎を追え”と言いたいと思います。
 文武両道…がんばって欲しいと思います。」

生徒達の瞳の奥には
キラリと光るものがありました。


(用務員さんが作られている干し柿)

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