令和5年度アジア研修旅行(2・3日目)
2024年02月17日
2日目
SALASUSU見学
2日目は「SALASUSU工房見学」と「バイヨン中学・高等学校での学校交流」のプログラムでした。
SALASUSUとは、「SALA=学校」と「SUSU=がんばって!」という意味になるそうです。
カンボジアの女性たちが育児をしながら働ける、そしてものづくりや社会経験を学べる場となっています。
生徒たちはそのスタッフたちに手伝ってもらいながら、い草のチャーム作りに挑戦しました。
作り方はシンプルですが、想像以上に力作業でありながら丁寧さも求められる作業です。
初めは戸惑っていた生徒たちも、スタッフの方と会話やジェスチャーを介して完成させ、自分だけのチャームを完成させました。
作業場の見学もさせてもらいました。
い草を太さで分けたあと、染色のためにかまどで煮る作業と干す作業をくり返します。
染色が済むと、一本ずつ機織りと同じ要領で編み込んでいきます。実際に作業してみた生徒は、「すごく難しい!」と言っていましたが、スタッフはリズミカルに編み込んでいました。
バイヨン中学・高等学校との交流
バイヨン中学・高等学校との学校交流もおこないました。
こちらの学校を設立したのは、青春時代を日本で過ごされ、現在はJSTの代表として活躍されているチア・ノルさん。
アンコール・クラウ村を中心としてカンボジアの教育の現状や、バイヨン中学・高等学校の活動などをお話しいただきました。
また、生徒の一日の過ごし方や授業についてなどを英語で紹介していただきました。
本校からも代表生徒が英語での挨拶スピーチをおこないます。
その後、カンボジアの伝統舞踊を披露していただき、日本文化の紹介を小グループでおこないました。
持参した折り紙を通してコミュニケーションをとり、カンボジアの団子を一緒に調理して食べるという盛りだくさんなプログラムを体験させていただきました。
最後にはカンボジアの正月を祝う遊びとして、水瓶割り。日本のスイカ割りのような遊びで、非常に盛り上がりました!
あっという間の短い時間でしたが、充実した学校交流となりました。バイヨン中学・高等学校の皆さん、心のこもった歓迎をありがとうございました!
3日目
アンコール遺跡見学と保存活動
3日目はバイヨンインフォメーションセンターでの学習とアンコール遺跡群の見学です。
インフォメーションセンターではアンコール遺跡についての説明や歴史を学びました。
アンコール・ワットはカンボジアの国旗にも描かれており、世界遺産にも登録されていますが、それは遺跡の一部です。
加えてアンコール・トムとバンテアイ・スレイの見学もおこないました。
アンコールは「都市・王都」、トムは「大きい」、ワットは「寺院」、バンテアイは「砦」、スレイは「女」という意味です。
バンテアイ・スレイにある美しい女性の彫刻は「東洋のモナリザ」とも呼ばれます。
仏教とヒンドゥー教が混在しており、多くの神話や伝説がもととなっています。
アンコール・ワットの見学では、計算し尽くされた設計であることや王様専用の門の存在、江戸時代に日本人が訪れたことなども教えていただきました。
第三回廊への階段は数年前に新しくなったようですが、非常に急勾配でした。
上りよりも下りの方が高さを実感でき、皆恐る恐る下っていきます。
非常に荘厳で、歴史を感じることができました。
また、バイヨンインフォメーションセンターの特別なプログラムに参加しました。
遺跡の損傷が激しい部分は修繕が必要です。実際にどのように修復し、保存活動が行われているのかを体験することができました。
まずは汚れを洗う作業、次にひび割れに薬剤を流し込み安定させる作業、また、修復が難しい部分を新たに削り作る作業です。
地道な作業でしたが、遺跡の保存には多くの人の丁寧な仕事があって成るものだという気づきを得られたようです。
「遺跡の修復には完成がない」というガイドさんの言葉は、中学生の生徒たちには少し難しかったかもしれません。
建設の途中で王が亡くなり、完成されていない遺跡もあれば、増設を続けて原型がない遺跡は「完全」にはならないという話、また、構造や使用されていた用途を調査して、理解して修復作業をしなければ、「破壊」になってしまうという話も大変興味深かったです。
生徒ひとりひとりが今できることは何だろう?カンボジアも日本もそのほかの国も「幸せ」になるにはどうしたらよいのだろう?と考えるきっかけとなったと感じました。