[陸上競技部]陸上部インターハイへの道 |
2011.07.03 |
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陸上部インターハイへの道
大人気!陸上部顧問尾花監督のレポートが届きました。
インターハイに向けての部員、顧問の『情熱大陸』
お楽しみください。
今年の陸上競技部のポロシャツには首の後ろの部分に
“紫電清霜”
の四文字が刺繍されています。紫電清霜(しでんせいそう)とは、紫の稲妻のように光り輝き、清く白い霜のように、きりっとひきしまっていること。鋭く光り輝く武器のいかめしさの形容であったり、人がすぐれて光り輝く様子の形容でも使います。
この四字熟語を取り入れたのは、生徒が鉢巻に刺繍していたのを見かけたのが発端です。しかしながら、恥ずべき事ですが、私も意味を知らなかったので、調べてみると上記の様な素晴らしい言葉であることがわかりました。全国にその名を轟かすにはまだまだ力不足ですが、“紫電清霜”の言葉がいつかはふさわしい陸上競技部にしたいと思います。
その第一歩となるべく、今年の関東高校で、選手が頑張ってくれました。5月の埼玉県予選会を突破したのは男子400m、男子4×400R、女子砲丸投のわずか3種目でした。しかも男子の400mこそ第2位でしたが、リレーと、女子砲丸は共に第6位でギリギリのところでの関東出場でした。
関東大会は茨城・群馬・栃木・埼玉の4県から各6名、リレーは各6チームの合計24名、24校が出場し、上位6位に入るとインターハイ出場が決まります。
各県の予選が終わった段階でのランキングは24位中、男子400mは12位、男子リレーは11位、女子砲丸は10位とインターハイ出場ラインの6位はおろか決勝進出の8位以内にも一つも入っていませんでした。
苦戦が予想されるランキングでの本番となりましたが、結果は3種目全てにおいてインターハイ出場を決めることができました。100%の達成率です。
まずは、初日の男子400mの伊藤健太(2年)が点火してくれました。予選3着ながら決勝進出。決勝では48″60で4位入賞と初日から大役を果たしてくれました。これで、他の選手の硬かった表情も良い意味で緩んだ感じでした。
そして、1日おいた3日目は男子の4×400Rの予選でした。個人競技ももちろん、その選手の頑張りですから入賞すれば盛り上がります。しかし、リレーでのインターハイ出場はその何倍も喜びに溢れます。この4×400Rは去年から力を入れてきた種目であり、何としてもインターハイへと思っていた種目です。
その思いとは裏腹に今年は怪我に悩まされ、記録も全く伸びず、県大会を終わっても半信半疑でしたが、6月に入り、やっと調子が上向いてきました。
その中で臨んだ予選は埼玉の越谷西高校・松山高校と県でも後塵を拝したチームと同じ組で苦戦が予想されました。
しかし、その不安を吹き飛ばすような走りを1走の陰山東洋(2年)から2走の橋立航太(3年)3走の松井信行(1年)と見せてくれ、アンカーの伊藤健太が越谷西高校に抜かれはしましたが、県大会から3秒もタイムを縮める3分17秒46の2位で最終日の決勝進出を決めました。
最終日の最終種目まで時間はたっぷりあります。ホテルを出る時間をギリギリまで伸ばして、午前中、何度も何度も、レースの映像を見て決勝へのイメージと予選での修正点を洗い出しました。予選のレースの映像をすぐにyoutubeにアップしてもらい、それをipadで見ることで可能になりました。
選手もどこが悪いのかを映像をみることで理解し、そして決勝でのインターハイ出場となるタイムを設定し、目標を上方修正しました。
チームのムードがすごく良くなっているのを感じ、選手が早く走りたいとウズウズしているのが伝わってきました。あとは、レースまでにつまらないミスをしないように、そして、レースが始まるまで、きちんと導くことです。
ウォーミングアップ会場でも、選手の表情が自信に溢れていました。県大会の時の泣きそうな表情とはえらい違いです。1ヶ月ちょっとでこんなに変わるのかというくらい高校生は変わります。
さらに、彼らに力強い知らせが入りました。女子砲丸投げの山野はるか(3年)がこちらも県6位から大逆転の関東6位入賞を果たし見事なインターハイ出場をつかみとりました。
県大会に続き、またしても、追い込まれた予選最終投てき、3投目でのビッグスローでした。この1投が結局、インターハイを決める1投になったのです。またしても指導を続けてきた碓井先生の職人技を感じさせる山野の6位でした。
そして、いよいよクライマックスの男子4×400Rです。
決勝はやはり北関東のチャンピオンを決めるレースですから甘い展開にはならないと思ったのですが、またしても1走の陰山が素晴らしい走りを披露しました。2走の橋立は200m以降でやや硬さがみえたものの、優勝した埼玉栄高校には離されましたが2位集団の先頭を引っ張り、そのまま3走に引き継ぎました。3走の松井も1年生とは思えない冷静な走りをみせ、そのまま2位でアンカーの伊藤にバトンを渡しました。このバトンパスの時にちょっとヒヤリとした瞬間がありましたが、うまくカバーしました。伊藤は先頭の埼玉栄には届かない距離だったこともあり、確実に6位に入るレースをしたと思います。途中で一度4位に落ちましたが2位にあがり、最後のゴール前で一人かわされ3位でしたが予選のタイムを更新する3分16秒54の好タイムでした。
遂に4×400Rでのインターハイ出場をつかみとりました。実に平成2年以来、21年ぶり、四半世紀近くの出場です。
古い話で恐縮ですが、昭和の頃はこの4×400Rは武南の得意種目の一つでした。しかし、それも遠い昔の話になっていましたが、今年、やっとその復活の第一歩を遂げました。
が、ここで終わりではありません。まだまだ、このタイムでは、インターハイでは出場するだけになってしまいます。我々の目標は全国でも入賞することです。そのためにも残りの1ヶ月でさらに頑張ります。“紫電清霜”の言葉には監督選手共々まだまだ未熟で、その境地に達するには遠いチームすが少しでも自分達の目標に近づけるようにこれからも競技にも、そして人間的にも成長していきたいと思います。
これからも応援をよろしくお願いします。
紫電清霜
紫がイメージカラーの武南高校、東北の地で行われるインターハイで、彼ら青春が爽やかにキラメキます。