真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

精神力の成長が勝負の決め手 剣道部

剣道部 2019年11月18日

 

11月14日に県立武道館において埼玉県剣道大会(高校の部)が行われました。この大会は各校で選抜された男女2名ずつが出場する個人戦で、男子は262名、女子は176名が出場しました。本校からは石井涼(2年。さいたま市片柳中学校出身)、山内将弥(1年。川口市芝東中学校出身)、都築里穂(2年。越谷市大相模中学校出身)、山本のぞみ(2年。さいたま市大原中学校出身)が出場しました。石井は3回戦まで、都築は4回戦まで(ベスト32)、山本は2回戦まで進みました。山内は5回戦まで進み、ベスト16入りを果たしました。

 

この日の山内は1、2、3回戦と順調な試合運びを見せ、調子の良さを見せていました。この3試合を通して山内は相手選手に1本も取られることなく、勝っていました。1本も取られないような試合を進めるということは相手選手が勝つ確率を低くすることになり、自身の勝つ確率が高くなります。また試合を見ていて、落ち着いた試合をやっていたので、夏からの成長を感じました。以前このホームページで夏合宿における試合での山内の優勝をお伝えしましたが、その時の「精神面での成長」という課題をこの秋までに克服したのは大きな収穫でした。

 

続く4回戦は城北埼玉高校の選手との対戦でした。城北埼玉高校は関東大会に出場するなど強豪校の一つで、試合会場の多くの人が相手選手の勝ちを予想したと思います。しかし試合が始まると一進一退の攻防が続き、双方惜しい打突があるものの、試合時間の4分を迎え、勝負は延長戦に。延長戦は1本勝負のため慎重な勝負になるのが一般的ですが、勝負は最初から動きました。最初に仕掛けたのが相手選手。右足で一歩打ち間に入り込むと、山内は竹刀を上げて防ぐ態勢を取り後退。山内の不利な状況に対し、相手選手はさらに入り込み・・・・山内万事休すと思いきや、山内は瞬時に半歩前に詰め攻め返し、相手選手が思わず竹刀を上げ防戦に回り手元が上がったところを、山内の小手打ちが一閃!山内の一本が決まり、会場は歓喜と驚きの声が上がりました。延長開始からわずか5秒間に攻守が目まぐるしく変わったのですが、劣勢の状態から挽回した山内の精神力の成長が勝負の決め手だったと思います。

 

続く5回戦の相手は11月10日に行われた南部支部大会(団体戦)を優勝した大宮東高校の選手。試合後に山内は「本当に必死でした」と言っていましたが、落ち着いた試合を見せていました。この対戦まで4試合をしてきたため、疲労が双方溜まる中ですが、そんなことを感じさせない勝負が繰り広げられました。4回戦に続き、勝負はまたも延長戦へ。「4回戦と同じく、勝ってほしい」と願いコート脇の監督席で見ている私も心拍も上がる中、山内の引き面が相手を捉えるも惜しくも旗は上がらず。試合は進み、試合の勝負所と思ったのかペースを上げる相手選手。そして鍔迫り合いに持ち込み、引き面を打つ素振りを見せると山内も素早く反応、自身の面を防ぐ態勢をとる山内。僅かにできた隙である山内の胴へ向けて相手選手の引き胴が撃ち込まれ、相手選手に旗が上がり、山内はここに敗れました。

 

試合後の山内は悔しさを滲ませていましたが、ここまで勝ち上がってきたことへの満足感とこの半年間の成長を表情から見て取れました。この悔しさは1月下旬に行われる新人戦(県大会 団体戦)で晴らしてくれると思います。山内をはじめ部員一同稽古に精進しますので、引き続きご声援いただければと思います。

また剣道部は部員募集中です。剣道部はスポーツ推薦を採っていませんが、頑張って稽古していれば上位進出も夢ではありません。顧問である佐々木、浅岡のもと、部員の仲も良く日々頑張っています。中学生の皆さんの稽古参加や見学、入部をお待ちしています。また剣道部の様子は剣道部公式Facebookで公開していますので、どうぞご覧ください。