気持ちがひとつになる大切な勝利
アメリカンフットボール部 2015年09月19日
0-84
0-84で惨敗したのは…2014年春季大会一回戦での敬愛学園高校との試合だった。オフェンスは何をやってもゲインできず…ディフェンスは相手のランニングバックをとめられない。1Q8分の試合でこれだけとられることは…ありえない。それほど見事な負けっぷりだった。
あれから、1年半経った。2015年秋季大会、一回戦の対戦相手は…”あの” 敬愛学園高校だった。
コイントスでレシーブを選択した武南だったが、ファーストダウンを奪うことができずにパントを蹴った。攻守が替わり、武南はディフェンスにまわる。
また怒涛の攻撃にさらされてしまうのか?選手、ベンチ、観客…全員に不安がよぎった。だが、武南の鍛えられた選手達は、相手の攻撃によく持ちこたえ、ファーストダウンを与えなかった。
「何かが違う」
部員達は感じ始めていた。ワンプレー毎に、自分たちの体の中から湧き上がる力を感じていた。厳しかった夏の練習が選手たちに勇気を与えてくれていたのだ。
徐々に武南オフェンスがゲインを重ねていった。そして、とうとう、第2Qにオープンプレーで均衡を破るタッチダウンを奪った。0-84と大敗した相手から奪った待望のタッチダウンだった。その後も、よく守り、7-0で前半を折り返すことができた。
勝てる!
後半が始まった。一進一退の攻防が続いたが、武南は再びタッチダウンを奪い14-0とした。相手は昨年度、春・秋の大会ともにベスト4入りした強豪校だ。必死の形相で武南の選手をつぶしにかかる。だが、武南の選手達は、心もしっかり成長していた。相手の反撃をしのぎきったのだ。そして…ついにその時を迎える…。
試合終了。
熱いものが頬を伝わった…。
こてんぱんにやられた相手に勝った。ラグビーを描く青春TVドラマ『スクールウォーズ』のワンシーンの中にいるようだった。
興奮してベンチに飛び込んできた選手達を名将英保は笑顔で迎え、選手達に語った。
「オフェンスは少ないチャンスをよくものにした。ディフェンスはよく我慢をした。今日は集中を切らさず、緊張感のあるナイスゲームだった。夏の練習の成果が出てきた。この試合でできなかったことはしっかり反省するのは言うまでもないが、この一勝を大きな自信にして、次節の相手、7月の練習試合ではパワー・スピードともにまったく歯が立たなかった千葉日本大学第一高等学校相手に、勝利できるよう、がんばろう。」
「お”お~う!!!」
部員達の気持ちがひとつになる大切な1勝だった。