『海を抱いたビー玉』井田先生のオススメ
2020/04/17
こんにちは。化学担当の井田です。今日は私のおすすめの一冊をご紹介します。
私は読書が大好きで、ここ数年は年間約50冊を読んでいます。働いているとなかなか時間が取れませんが、大学時代は研究室にこもりながら年間約100冊の本を読んでいました。ところが十数年前、ぱたりと本が読めなくなってしまったことがあります。闘病していた父が他界したことが原因だとは思いますが、今でもよくわかりません。色々なことが重なって、本当にぼんやりと毎日を過ごしていた時期でした。働くのも嫌だけれど、辞めるのも面倒で、朝になればとりあえず電車に乗って、時間を過ごして、まっすぐ家に帰ってきて、何も考えずに寝る。食べることすらも面倒だと思っていました。読書なんてしようとも思いませんでした。
そんな日々の中で、なんとなく本屋さんに行ったときに、目にとまった本がありました。表紙の絵がとても可愛らしい文庫本。森沢明夫さんの「海を抱いたビー玉」という本です。なぜかその本を見たときに、読書が好きだったことを思い出して、買って帰ってすぐに読みました。
「海を抱いたビー玉」あらすじ
「運転手の親子に愛されたことで、『心』を持った瀬戸内海の小さな島のボンネットバスと、手にした者に勇気を与える不思議な青いビー玉が時代を超え、運命に導かれながら旅をしていくファンタジー。
少年と、バスと、少年の心を持った魅力的な大人たちが、『生きることの美しさ』を優しく語りかけてくれる、事実をもとに描いた奇跡と感動の物語。」(小学館書籍紹介より)
それからのこともよく覚えていないのですが、だんだんと他の本を読んだり、買い物に行ったり、友人と遊びに出かけたり。そうやって普通の生活に戻っていったような気がします。この本は私が人間らしさのようなものを取り戻すきっかけになった大切な一冊です。
森沢さんの本はどれも心がほっこりとする話で、安心して読むことが出来ます。外出もままならないこんな時期には、少しでも気持ちが落ち着けるものを読んでみてはいかがでしょうか。
皆さんにも大好きな本、ありますか。
これからたくさんの素敵な出会いがありますように。