『空気を読んでも従わない』両角先生のオススメ
2020/04/25
どうしてこんなに周囲の目が気になるんだろう、ああラインすぐ返さないとなんか言われちゃう、なんで先輩に従わないといけないの?…なんて悩んでいるあなた、どうやらそれにはすべて理由があるようです。そのヒミツを知れば生き苦しさからラクになれる、そんな本です。
「忖度」という言葉が政治の世界で飛び交う今日、つらいのは大人だけでなく、おそらく中高生も同じでしょう。著者はその原因を「社会」と「世間」という言葉を使って説明しています。日本人は「社会」は気にしない、気になるのはもっぱら「世間」だというのです。世間とは、学校、会社、ご近所、友人、親戚など、あなたを取り巻くごくごく身近な人々を指します。そしてその世間には次のようなルールがあると解説しています。
ルール①年上がえらい
ルール②「同じ時間を生きる」ことが大切
ルール③贈り物が大切
ルール④仲間はずれを作る
ルール⑤ミステリアス
ある意味日本は生きていくには、快適な社会です。外国に行ってみると日本の様々な快適さがしみじみわかります。でもその反面、実はとても息苦しい(=生き苦しい)社会でもあるのです。「空気」の存在におびえている大人も多いです。なぜ空気はこんなに怖いのか、それを知ってそこから解放される手立てを見つけましょう。鴻上さんの『「空気」と「世間」』(2009年 講談社)をさらに読みやすくしたのが本書ですが、実は大人にこそ読んでもらいたい内容です。
中高生に向けて、「生き辛さ」は長く続くものではなく、戦い方があるんだと伝えたい、筆者の強い意図を感じます。そしてさらには、こういう日本の空気を変えていこうよ、とも呼びかけています。本書の結語を最後に引用します。
『あなたの「世間」や「空気」との戦いを心から応援します』