真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

人生を最高に旅せよ! 祝!千葉大学大学院合格!

2017/03/15

OBOGが学校に来てくれることはうれしいものです。今日は、千葉大学の大学院に合格したということで、在学中、水泳部で活躍していた小岩井くんが来てくれました。千葉大で児童教育を学ぶかたわら、フィールドワークとしてインドネシアの学校に出向き、日本の教育の優れた点を伝えながら、遅れていると思われた現地の学校の”良さ”を再発見。その経験を日本の教育現場でマリア―ジュさせようと考えているのだそうで…すでに、埼玉県の小学校の採用試験に合格しているのですが、これからさらに2年間、大学院に通いながら、今度は、北欧の教育現場を見てこようというのです。

「2014年の韓国フェリーの沈没事故の犠牲者の中に修学旅行中の韓国人学生が多くいましたが、被害が多く出た原因のひとつに、韓国の小中高のカリキュラムに水泳という項目がないことがあげられるそうです。日本では誰もが水泳という競技に体育の授業でふれますが、韓国ではやっていない。なので、韓国人は泳いだ経験すらないという人が僕達が思っている以上に多いようなのです。10メートル先につかまることのできる物が浮いていたとしても…そこまで泳げなかったかもしれないのです。不思議に思って世界を見てみたのですが、『体育』という科目を学校教育に位置づけている国が意外と少なかったんです。ならば、日本の『体育』という教科の素晴らしさを世界に発信するということもアリじゃないかと閃いたんです。」

「先生、覚えてますか。いつか先生がアメリカ大陸をバイクで一人旅したって話をしてくれたのを…。それが心に残ってて…僕は北半球を回ってみようと考えたんです。まず、シベリア鉄道に166時間乗ってヨーロッパを目指し、スノボーしながらヨーロッパを巡り、お金が余ってたので、そこからニューヨークへ渡って、グレートハウンドバスに揺られてロスまで一人旅したんですよ。気がつけば、バスターミナルで寝てたこともありましたね(笑)。スティーブジョブズが Jouney is the reward. って言ってるんですけど、僕も『人生で大切なことは旅で教わった。』ように思います。(笑)」

「フランスの小学校で昼食に一流のフランスシェフの料理を食べさせる『食育』をしているって話を聞いたことがあります。そういう現場へも足を運んでみたいな~。旅は良いもんですよね~先生。一人旅の良さって…自分で決断することが多いということだと思います。それと、よく自分探しの旅とか言いますけど、自分を探すということは、新しい見方をみにつけること。世界を巡っているうちに、自分の視点が柔軟になってきたと感じています。アレ?これって先生が言ってたことでしたっけ?(笑) … 小学校で英語教育が始まっていますが、言語だけでなく、物を見る視点を変えて考えてみることの大切さも伝えることのできる教員になりたいって思っています。」

現在は水中ホッケー日本代表として日の丸を背負っているというから驚きです。人は自分で経験したことでしか成長できない。

夢を自らの体験を踏まえて語る小岩井くんに、先生はうれしそう。終始、ウンウン…と相槌を打っていました。

合格おめでとう!生徒と共に成長できる学校でありたい。そう思える再会でした。

ニーチェはその自著『漂泊者とその影』の中で「人生を最高に旅せよ」と語っています。

「知らない土地で漫然と行程を消化することだけが旅行だと考える人がいる。買い物だけして帰ってくるのが旅行だと思っている人もいる。旅行先のエキゾチックさを眺めるのをおもしろがる旅行者もいる。旅行先での出会いや体験を楽しみにする旅行者もいる。一方、旅行先での観察や体験をそのままにせず、これからの自分の仕事や生活の中に活かして豊かになっていく人もいる。人生という旅路においてもそれは同じだ。そのつどそのつど体験や見聞をそのとき限りの記念品にしてしまえば、実人生は決まりきった事柄の繰り返しになってしまう。そうではなく、何事も明日からの毎日に活用し、自分を常に切り拓いていく姿勢を持つことが、この人生を最高に旅することになるのだ。」