真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

新任教員紹介 高野先生の巻

2020/05/14

 今年度から武南高校でお世話になります、高野怜音(たかのれお)と申します。担当教科は日本史です。みなさんよろしくお願い致します。私もみなさんと同じように武南高校で学び、この度母校で授業ができることを大変嬉しく思います。

 

  さて、私は日本史を担当しますので、ここでは歴史を学ぶ意味について話していきます。みなさんの中には、歴史が好きな人もそうでない人もいると思います。歴史に興味がない人からすると、歴史という教科は覚えることが多く大変で、何のために学んでいるのか分からない人が多いと思います。また、歴史に興味があり好きだとしても、歴史を学ぶ意味について考えたことがある人はあまり多くはないでしょう。私自身も後者でした。私は中学生の頃から歴史が好きで、この人はどのような人物だったのか、昔の人はどのような暮らしだったのかについて特に興味を持っていました。ですから、日本史や世界史などの勉強は全く苦ではなく、むしろテスト勉強では楽しくて時間を掛け過ぎてしまっていたくらいです。ところが、そんな私も歴史を学ぶ意味について考えたのは、大学生になってからです。私は大学に入学し、史学科で歴史学を学んでいました。大学に進学すると他学部の学生と交流する機会が多くあるのですが、他学部の学生によくどうして歴史を学んでいるのかと聞かれることがありました。歴史なんて学んで将来使うのか、就職活動に活かせないのではないかとしばしば言われることがありました。入学当初このようなことを言われるたびに私は歴史が好きだからとしか答えることができませんでした。しかし、このような答えに自分自身納得することができませんでした。このことがきっかけで初めて歴史を学ぶ意味について考えました。そして、考えた先に二つの意味にたどり着きました。

  まず、一つは教養を身につけられ、人生が豊かになるということです。歴史を学ぶだけで、人生が豊かになるのかと思った人もいるでしょう。しかし、歴史の知識を活かせるところは私たちの身の周りに多くあります。例えば、ゲーム、音楽、映画、ドラマ、旅行などです。これらのものは歴史的要素が含まれることが多く少しでも歴史の知識があるだけで、より一層楽しめることでしょう。私のおすすめは旅行に行く際に、歴史を感じながら観光地を回ることです。ただ家族や友人と街並みや建築物を見たり写真を撮るだけではなく、あの事件はここで起きたのか、あの人物はここで暮らしていたのかなど自分の知っている歴史の知識を活用することで、歴史を感じることができ、旅行の楽しさは倍増間違いなしです。

 そして、もう一つは、現代につながる歴史を学ぶことで未来を創るということです。歴史は地球上の人類の歩みを知ることができる学問です。人類はこれまで多くの成功と失敗を繰り返しており、この経験を歴史で学ぶことで得ることができます。みなさんも聞いたことのある言葉に「失敗は成功のもと」があるように、経験は人生において大きな力になります。ですから、そんな経験を自らが経験しなくても得られる歴史という学問は、みなさんの人生に役立ち未来を創っていくはずです。

 もちろんテストや受験のため歴史を勉強することは大切ですが、歴史を学ぶ意味についても自分で考えてみてください。そして、人生において歴史を活用してみてください。きっと、人生の役に立つはずです。