5月の朝礼から
2021年05月01日
皆さんおはようございます。今日は、放送による朝礼です。少し趣を変えて実施します。
プリントと鉛筆を出してください。
4月23日に宇宙飛行士の星出彰彦さんがクルードラゴンで国際宇宙ステーションISSに向け出発しました。日本人宇宙飛行士として二人目となるISSの船長となります。一人目は埼玉県出身の若田光一さんでした。
皆さんのプリントの地球の回りにISSはこれくらいのところを回っていると思うところにフリーハンドでいいですからISSの軌道を書き入れてください。
つぎに、この円を地球とすると図の1mmは約何kmになるかを計算してプリントの( )に答えを記入してください。つぎに、ISSの高度は地上から400kmですからその軌道を書いてください。
どうですか、4mm外側に円が書けましたか?自分のイメージとどのように違いましたか?
さて、28日に武南高校で2年生に講演をしてくれた、近藤先輩は九州大学工学部からマサチューセッツ工科大学大学院に進学します。詳しいことはホームページに出ていますので後で見てください。近藤先輩は、宇宙ゴミや人工衛星の姿勢制御について研究をしています。ISSの一番の脅威は宇宙ゴミとの衝突です。1cm程度のごみまでは耐えられるような安全対策はとっているようですが、それ以上大きなものが衝突した場合は大事故となります。宇宙ゴミの回収の方法の開発が急がれるところですが、その前に宇宙ゴミを出さないように、これ以上増やさないことが重要ですね。これは、地球上でもおなじですね。
それでは、もう一つ作業をしてください。地球は大気圏で守られています。大気圏は地上に近い方から「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」と4層に分かれています。人間が生活しているところが対流圏です。ここでは、晴れたり曇ったり雨が降ったりと天候の変化があります。上空、10kmくらいが、対流圏と成層圏の境目です。この境界線をプリントの地球の周りに書いてほしいのですが、鉛筆の芯の太さ以下ですからうまく書けませんね。私たちは地球の表面のごく限られた範囲にしか住めないということが分かりますね。
以上の作業を念頭に置いて、これからの話を聞いてください。皆さんSDGsという言葉を聞いたことがあるかと思います。Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標ということです。貧困、紛争、気候変動、感染症。人類は、これまでになかったような数多くの課題に直面しています。このままでは、人類が安定してこの世界で暮らし続けることができなくなると心配されています。そんな危機感から、世界中のさまざまな立場の人々が話し合い、課題を整理し、解決方法を考え、2030年までに達成すべき具体的な目標を立てました。人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標がSDGsです。
今、プリントの地球に対流圏の境界線を書き入れようとしてもかけないくらい狭い範囲でしか人間は生活できません。そして、世界はつながっています。その中で世界規模の課題として新型コロナウイルス感染症が加わり、私たちの日常、常識を根本から変えてしまいました。コロナ禍による影響が、課題を明確にしてくれて課題解決を速めたものも、課題解決を遅らせる原因となったものもあります。いずれにしても、早急にこれらを解決しなければ人類が地球上で暮らし続けることが難しくなるということです。根本的な解決策ができるまで待っていられる状況ではありません。また、誰かが解決してくれるのを待っているわけにはいきません。私たちにできることやらなければならないことはたくさんあると思います。世界規模の課題ですが解決するには、私たち一人一人がどう行動するかにかかっています。新型コロナウイルス感染防止も私たち一人一人がどう行動するかです。いつも言っている「ひとのせいにしない」ことが大切です。
もう一つ、この地球の図をもとに考えてほしいことがあります。水が液体で存在できる太陽からの距離、大気を保持できる重力の大きさなどの様々な奇跡の連続で、地球に生物が存在し人類も存在しているのです。皆さんの存在そのものが奇跡であり価値があるということです。ですから、奇跡の連続で存在している自分を大切にして自分を生かす努力をしなければならないのです。そこで「文武創造」です。勉強に部活動に学校行事に全力で取り組み、学んで行動してまた学ぶことにより、新たな価値を創造する力を身につけていくのが文武創造です。皆さんが文武創造で新たな価値を創造し様々な課題を解決していくことを期待しています。
では、プリントの各項目について連休中に調べて考えて完成させ、6日木曜日の朝のSHRの時間に担任へ提出してください。裏面にも書いてかまいません。では、提出お願いします。