真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

朝礼 「13年ぶり宇宙飛行士募集」

2021年10月01日

 

10月の朝礼は配信で行われました。

「13年ぶり宇宙飛行士募集」

 皆さんおはようございます。緊急事態宣言が明けましたが、引き続き感染防止の徹底をお願いします。3年生は、目前に迫った進路実現のためにも学級閉鎖や自宅待機とならないように徹底していきましょう。1年生2年生は、感染したり、濃厚接触者になったりすると部活動の試合にも出られなくなってしまいます。2年生は修学旅行も実施できなくなります。繰り返し皆さんにお願いします。登下校は直行直帰で寄り道しない。特に友達同士の会食はしない。発熱等、風邪の症状があるものは登校しない。家族に風邪の症状のある場合も登校しない。昼食は黙食を徹底してください。これらは、見つからなければいいとか、自分一人くらいならとかそういう種類の問題ではありません。誰かに指示されたり命令されたりしないとできないのでは困ります。自分たちで自分たちの教育環境・教育活動を守っていきましょう。

 さて、9月27日から来週の木曜日10月7日までが大学入学共通テストの出願期間です。3年生はいよいよ入試が直前に迫ってきました。そこで今日は人生の中で乗り越えていかなければならない様々な試験をいかに突破していくかについて考えてみたいと思います。最難関試験の一つ宇宙飛行士の採用試験を例に考えてみたいと思います。今年の秋に13年ぶりにJAXAの宇宙飛行士の募集が始まります。今回の募集はアルテミス計画の宇宙飛行士を選考する試験です。この計画は、2024年に半世紀ぶりに月に人間を着陸させ、そのあと月面基地建設や有人火星探査までの壮大な計画です。この計画のための宇宙飛行士を今年から5年ごとに採用していくということです。皆さんの中から挑戦してくれる人がでるとうれしいですね。

では、前回の試験の状況はどうだったかというと応募者は963名でした。書類選考で230名に絞り、一次試験で医学検査、筆記心理適性検査を行い50名に絞られました。2次試験は医学検査、面接試験(精神心理、英語、一般・専門)、検査を行い10名が合格しました。3次試験は医学検査、長期滞在適性検査、泳力試験、面接試験で2名の合格者を決めました。この後、1名追加合格しましたので最終合格者は3名です。実に321倍の高倍率ですがNASAの募集には1万人以上が応募しますので、それに比べれば日本の倍率はけた違いに低いです。まず出願資格ですが、自然科学分野の大学を卒業していること。国際的な宇宙飛行士チームの一員としての訓練を行う円滑な意思疎通が図れる英語能力を有すること。宇宙飛行士としての訓練活動、長期間の宇宙滞在等に適応することのできる医学的、心理学的特性を有すること。日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養等(美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、自己の経験を生き生きと伝える豊かな表現力、人文科学分野の教養等)を有すること。所属機関(またはそれに代わる機関)の推薦が得られること。これは出願資格の抜粋ですが、この中で一番注目したいのが最後の「所属機関の推薦が得られること。」です。今、所属しているところ、そこで信頼を得てこの人ならと推薦をしてもらえる人にならなければ出願することもできないということです。今いる環境で最大限の努力ができ周囲の信頼を得ること。これはどんな試験を受験するときにも大切なことです。

 つぎに、試験の中身です。宇宙飛行士として求められる資質は「状況認識」「チームパフォーマンス」「リーダーシップ」「フォロアーシップ」「打たれ強い」だそうです。最終選考に残った10名は筑波宇宙センターにある閉鎖環境適応訓練設備で長期間にわたり外部から遮断された狭い空間で様々な課題を解決する試験を受けます。この最終試験で求められる資質の中で皆さんに注目してほしいのが「打たれ強い」ということです。失敗も、挫折もなく生きていくことはできません。打たれ強いということは、どんな場面でも必要な資質です。

宇宙飛行士採用試験についての話でしたが、どんな試験でもまずは出願条件を満たすことが必要です。条件ですから時間をかけ整えればいいのです。しかし、自分だけでは整えられない条件があります。それが、どのような環境にあっても、その中で周囲と協力し努力し信頼を得て推薦してもらえる人間になることです。これは、周りの人たちの協力がなければ整えることができません。

次に、目指す試験をクリアーするには、そこではどんな資質が求められているのかを知ることです。そうすれば、何を準備すればいいか、どんな力をつければいいか、どんな問題が出るかわかります。しっかり、適切・十分な準備ができれば合格できるということです。しかし、口で言うのは簡単ですが、実行するとなると大変です。思うように進まず、失敗を繰り返すこともあります。だからこそ、準備を進めていく中で「打たれ強さ」を鍛え、本番でその力を発揮することが大切なのです。

 皆さんが自分の夢の実現に向けて周囲の人から信頼され推薦される人になり、打たれ強く、粘り強く次々と試験を突破していくことを期待しています。