第57回 卒業式 式辞
2022年03月05日
式辞
本日ここに、武南高等学校第五十七回卒業書授与式が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため簡略化した形にはなりますが、まずは、実施できますことに感謝し喜びとするところでございます。
改めまして第五十七期生・中高一貫四期生の皆さん卒業おめでとうございます。また、今日まで支えていただきました保護者の皆様はじめ関係者各位に感謝と御礼を申し上げます。
卒業生の皆さんは三年間しかない高校生活の大半をコロナ禍で過ごさなければならない状況となり、極めて大きな影響を受けました。武南高校の特色であり、魅力であり、誇りであった学校行事がほとんど中止となり、部活動も厳しい制限のなかでの活動となりました。しかし、勉学においても部活動においても本日の表彰者の数が示すように、素晴らしい成果を上げてくれました。皆さんの創意工夫と努力に敬意を表します。
さて、今までの常識や当たり前・従来どおりが通用しないコロナ禍では、否応なしに生活すべてが、新たな挑戦です。新たな挑戦には必然的に大きな困難を伴います。ますます、創造力と社会性が必要となります。
すでに、武南高校は「文武創造」を掲げ、学業・学校行事・部活動等すべての教育活動を通じて創造力と社会性を育てコロナ禍でも適切に対応できる力をつけてきました。自信と誇りをもって自らの夢に挑戦し続けてください。その際に、失敗も挫折もあるかと思います。自分の才能に自分の選んだ道に不安や迷いを感ずることもあるかもしれません。
そんな時に思い出してほしい言葉として、直木賞作家の浅田次郎氏の言葉を紹介します。浅田次郎氏は様々な職業に就いて働きながらも、小説家への夢をあきらめず努力を重ね四十歳過ぎてやっと念願がかないました。そして、直木賞も受賞することができました。
浅田次郎氏は「『この世の中に才能だけで食える飯など、一粒もないと思う。』神様はあんがい公平に、何かしらの才能をそれぞれに与えている。才能に気づかざるか、あるいは磨かざるかのいずれかであろう。」と言っています。
自分の才能に気づき、磨き努力を重ね自らの役割を創造し、新しい価値を創造して社会に役立つ人間となることを願っています。
それでもうまくいかないこともあるかもしれませんが、文武創造で鍛えた自分の才能を信じ努力に基づく自身で頑張ってください。厳しい時にも支えとなってくれる武南で共に学んだ仲間がいます。また、何か困ったことがあれば、いつでも相談できる場所として、武南高校があります。あきらめることなく努力を続けてください。そして努力が実り何か良いことがあったときには皆さんの幸せをともに喜べる母校があります。何かうれしいことがあったら是非報告に来てください。うれしい報告と卒業生の明るい未来を祈念して式辞といたします。
令和四年三月五日
武南高等学校校長 本多 昇