更衣と6月の朝礼
2017年06月02日
6月に入り、朝礼が行われました。
校長先生は次のようにお話されました。
「皆さんは、群知能という言葉を知っていますか。小さな蟻や蜜蜂は、えさまでの最短コースを効率よく見つけ出すことができます。1匹1匹の能力が小さくても、個々の行動が集合することで、個の能力を超えた知性が生み出される、このような現象が群知能の1つです。
また、小魚の群がリーダーなしに統率の取れた動きをする、この理由についても、個々に移動するよりも速く移動できるのではないか、という話があります。集団になると個々の能力を超えた力を発揮するのです。
レン・フィッシャーという人の「群は何故同じ方向を目指すのか、群知能と意志決定の科学」という本の中から、「隣人の良いところをまねしよう」という話をします。例えば、2つのクラスでテストの平均点を競争します。一方は通常の方法でテストを実施し、もう一方は自分の隣の人の答案を見ても良いとします。そして、自分の解答よりも優れていると思ったらそれをまねしても良く、さらに自分の考えをプラスして答案を書いて良い。
こうすると、その隣の生徒はそれを見て自分より優れている所をまねして、自分の答案をさらに改善していく。これが繰り返されていくと、どちらのクラスの平均点が良くなるかは、比べるまでもありません。仮にテスト前に平均点の差があったとしても、まねをして良いクラスの方が最終的に平均点が良くなると思いませんか。もちろん実際のテストで隣の人の答案を見ることはカンニングですが、日常の学校生活においては仲間の良いところをまねすることはカンニングではありません。
武南高校には優れた仲間がたくさんいます。勉強と部活動を両立させて頑張る生徒、英語がとても良くできる生徒。数学オリンピックを目指すくらい数学が得意な生徒、部活の全国大会で優勝した生徒など、優れた生徒がたくさんいます。みんな同じ武南高校の仲間です。優れた結果そのものをまねしなさいと言っているわけではありません。自分より優れた結果を出す人がどのようにしてその優れた能力を獲得してきたか、それをよく観察しまねをしてください。同じ武南高校の仲間です。同じことができるはずです。
これを個人個人が行うことで武南高校という集団の力が向上していきます。隣人の良いところをまねして、そこに自分の工夫、すなわち創造をプラスして実行する。これこそが『文武創造』の最短コースとなるでしょう。皆さんに期待しています。」
「学ぶ」という言葉の語源は「まねぶ」つまりまねをする、という言葉から来ています。まず良いことのまねをしたうえで、そこに自分だけのものを加えていくことが大事です。お互いがお互いを高め合えるよう、勉強に部活に励んで下さい。