更衣
2017年10月02日
10月に入り、更衣となりました。
朝礼で校長先生は、次の話をされました。
「みなさんは、『セレンディピティ』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉は『セレンディップの3人の王子』という童話から来た造語です。旅に出た3人の王子が、様々な難題を切り抜けながら、本来の目的以外の価値あるものを発見する話だそうです。
この言葉は、自然科学においては、『失敗が科学的大発見に結びつく』ことを意味します。有名なエピソードは、フレミングがペニシリンを発見したときの話です。
細菌培養容器に青カビが混入し、培養していた細菌が死滅してしまいました。しかし、これが世界で最初の抗生物質の発見に繋がったのです。
日本の例では、2000年、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士の話です。東工大でポリアセチレンの研究をしているとき、助手が間違って通常の1000倍もの触媒を加えてしまいました。これにより偶然できた物質は、後に電気を通す高分子化合物の開発に貢献することになりました。
北海道大学の名誉教授である、鈴木章先生は、次のように話しています。
『理科系の人間は昔からセレンディピティという言葉をよく使う。セレンディピティのような幸運が訪れるチャンスというのは、誰にでもある。
しかし、それをうまく活かせるかどうかは、注意深い心と一生懸命にやろうとする精神、ものに対して謙虚に考えることが必要である。
そうすることで初めて大きな幸運が生まれるのだ』と。
武南高校の皆さんには、素直さ、真面目さがあります。セレンディピティを活かす資質を持っています。あとは、失敗を恐れず挑戦を続けることです。
チャレンジ精神を持たなければ、何も起こりません。皆さんによく話している『文武創造』についても、学んで行動し、行動してまた学ぶ。
目標に向かって、学びと行動を粘り強く繰り返すことが、セレンディピティを呼び込むことに繋がるのです。
皆さんのチャレンジ精神に期待します。」