自由に生きるために学ぶ
2018年01月06日
風もなく穏やかな天候のもと、3学期の始業式が行われました。
校長先生は次のようにお話をされました。
「新年明けましておめでとうございます。3年生はセンター試験が1週間後に迫り、いよいよ受験勉強もラストスパートです。年の初めにあたり、みなさんがさらに意欲的に学べるように、今日は『なぜ、学ぶのか』について話します。
大学では1、2年の頃を教養課程といいますが、これを英語では『liberal arts』と言います。liberal は自由、artsは技芸です。つまり、自由に生きるための技術を指します。勉強して教養を身につけるということは、自由に生きるための技術、知識、力を身につけるということなのです。
例えば、ほとんどの皆さんは自転車に乗れると思いますが、乗れるようになるまでは転んだり、痛い思いをしていたことでしょう。しかし、一度乗りこなせるようになれば、徒歩よりも行動範囲が広がり、自由度が増します。同じ所に行くとしても徒歩より時間が短縮され、自由に使える時間が増えます。勉強も同じです。勉強をして学力が身につけば、より多くの行きたい大学、学部に合格できる可能性が広がり、進路選択の自由度が増すのです。自由に、思った通りに生きたいとするならば、勉強が欠かせません。
さらに、勉強すると良いこととして、福沢諭吉が「学問のすすめ」の中で次のように述べています。
『諺にいわく、天は富貴を人に与えずして、これをその人の働きに与うるものなり、と。人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めてよく知るものは貴人となり富人となり、無学なるものは貧人となり下人となるなり。』
立派な人やお金持ちになれるかどうか、それは勉強次第ということです。お金持ちになれと言っているわけではありません。皆さんの能力を活かして充実した人生を歩んで欲しい、世の中で必要とされる人間になって欲しいということです。どれだけ役に立っているか、必要とされているかは色々な目安がありますが、その中の1つが収入ということです。
学ぶこと、知識や技能を身につけることは自分自身の努力次第、平等です。これらは邪魔になることもなければ、誰かに奪い取られるものでもありません。しっかり学んで、自由に、思い通りに生きるための力を身につけて下さい。
具体的にはどうすれば良いか、迷うことはありません。皆さんには大学入試や資格試験があります。まずは大学入試を活用しましょう。大学入試は何をどのくらい勉強すれば良いのかがはっきりと示されています。これはとてもありがたいことです。次のステージに上がるための階段が示されているのですから、あとは皆さんがそれをどれだけ上ることができるかです。より高いところを目指しましょう。そこに立てば今まで見えなかったものが見えてきます。本当にやりたいことも見つかるかもしれません。是非入試を使って自由度を広げて下さい。我々は頑張る皆さんをしっかりと応援していきます。」