入学式　式辞

4月6日金曜、入学式での式辞です。

「朝の光が日に日に輝きを増してまいりました。今日の良き日に

川口市長　奥ノ木　信夫様をはじめ、たくさんのご来賓ならびに保護者の皆様の

ご臨席を賜り、ここに武南中学校第六回、武南高等学校第五十六回入学式を

挙行できますことは、武南学園にとりまして、この上ない喜びとするところで

ございます。ご臨席賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。

ただ今、入学を許可されました新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

また、保護者の皆様をはじめ、本日まで支えていただきました方々に

感謝申し上げますとと共に、ご入学を心よりお祝い申し上げます。

 

さて、武南中学校はグローバルリーダーの育成を掲げ5年前に開校し、

今年で全学年がそろいました。武南中学校は2年生で1週間のベトナム、カンボジア研修、

4年後の高校1年生では、アメリカ研修があります。ニューヨークでは国連での研修、

ホームステイをしながら、ウッドストック高校に通い1週間授業を受けます。

ボストンではハーバード大学、マサチューセッツ工科大学を訪問し、リーダーシップ研修、

ダイバーシティプログラム、模擬講義などの充実した研修です。先日、研修から戻った

2期生は、研修で成長し、自信にあふれた頼もしい姿を見せてくれました。6期生の皆さん、

先輩に学び、武南中高一貫の歴史と伝統を作りあげて下さい。

ある有名中高一貫校の校長先生が、『一貫教育がうまくいく秘訣は、先輩の優しさにある』

と言っています。武南学園の先輩はとても優しく面倒見が良いですから安心して下さい。

 

次に、武南高校は五十六回の入学生を迎える伝統校で川口・蕨・戸田地区で唯一の

私立高校として地域から高い評価と信頼を受けています。この信頼、期待に応えるべく

生徒、教職員一丸となって努力をしております。

 

武南高校に今年入学した皆さんの代から、大学入試が大きく変わります。そして、

中学2年生が受験をするときはさらに変わります。

改革の目的は、未来の予測が困難と言われる時代を生きる皆さんに、人間しかできない

新しい価値を創造する力、明るい未来を創造する力を育成することです。

この、高大接続改革は武南学園にとって飛躍の絶好のチャンスでもあります。

なぜならば、武南学園は創立以来『真に健全で個性豊かな人間教育』を目指し、

知徳体の調和の取れた人材育成に向け、文武両立を高いレベルで実践してきたからです。

創造力の育成においてもこの武南学園の方針が最善だからです。そこで、文武両立を推進し、

創造力を育てていくその方針をより明確に示す言葉として昨年から『文武創造』を掲げています。

 

文武創造の『文』は単に学ぶだけでなく、行動に移し、鍛え、できるようにする、使えるようにする、

形に現す。また、部活動をはじめとする『武』は、ただ闇雲に動き回っているだけ、

言われたことだけをこなしているだけでなく、学び、考え、工夫し鍛えた技能に磨きをかける。

『文は武で鍛え、武は文で磨き、創造力を育てる』文武創造を実践していきましょう。

 

そのために心がけて欲しいことを3つお話しします。

1つめは『なぜ』という問いを持ち続けることです。

人工知能、すなわちAIは様々な分野で人間の能力を超えていますが、そのAIにも

苦手なことがあります。『なぜ』という問いを持ち、ゼロを1にすること、何もないところ

から新たな価値を創造すること、意味を理解することはできません。

『なぜ』は人間にしかできない新たな価値を創り出す源です。また、物事の本質を

見極め、意味を理解する魔法の言葉です。皆さん、少し考えてみましょう。

なぜ学ぶのですか？　良い大学に入りたいから。

なぜ良い大学に入りたいのですか？　良い職業に就きたいから。

なぜ良い職業に就きたいのですか？

と、なぜを繰り返してみて下さい。繰り返すうちになぜの本質に迫ることが

できます。そして、学ぶ意味を見極めたとき、心の底から学びへの意欲が

わき上がってくるでしょう。

2つ目は、『凡事徹底』です。時間を守る、ルールを守る、あいさつを届ける、

服装を整える、整理整頓をする、授業に集中する。当たり前で誰でもできる

ことです。凡事徹底を貫き、良い習慣を作りましょう。その習慣が良い

人格を作り、良い人生へと繋がります。

3つ目は、うまくいかない理由を人のせいにしないことです。人のせいに

しても誰の得にもならないし、何も解決しないからです。物事は思い通りに

進むとは限りません。その場合でも人のせいにしないで、うまくいかない

理由を冷静に分析し、自分が為すべきこと、できることを明確にして

努力を続けて下さい。以上3点、お願いします。

 

文武創造を具現化し、新たな価値を創造する力を育て、『武南で良かった』と

言っていただける教育を推進してまいります。皆様のご理解ご協力をお願いしまして

式辞といたします。