真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

10月の朝礼

2018年10月02日

10月の朝礼が行われました。校長先生は次のようにお話をされました。

「文化祭や体育祭などの大きな行事は、皆さんの頑張りにより

無事に実施をすることができました。ありがとうございました。

裏方の仕事なども多くありましたが、見えない努力の積み重ねがあって

初めて見える結果が出るということに皆さん気がついてくれたと思います。

 

行事が終わりましたので、切り替えを上手にして忙しい2学期を

さらに充実させましょう。

 

さて、1学期の終業式では『複数の視点を持つことでものごとの本質を見抜く』

という話をしました。文武創造にはこの力が不可欠ですから、繰り返し

話をします。

 

プロの将棋界で有名な加藤一二三さんの話です。今から40年近く前、

昭和54年2月、王将位のかかったタイトル戦で中原誠さんと戦った際、

中原さんが中座したときがありました。そのとき加藤さんは中原さんの

座っていた方に回り込んで、反対側から盤面をじっくり見つめたそうです。

するとそのとき、パッと絶妙な手が浮かんだのです。

誰もやったことのない、相手の側から見るという行動が、ツキを呼んだとの

ことでした。

 

行き詰まったとき、いつもと同じ視点で見ているだけでは、

突破口は見つかりにくい、新しいアイデアも生まれにくいものです。

『もうダメだ』と思ったときこそ別の角度から物事を捉え、

考え直してみる。これが物事の本質を見抜き、斬新なアイデアや

課題の解決につながるということなのです。

 

また、あるときは一手を指すのに7時間近くの長考をしたときのことを

次のように話していました。

『直感で何かあると感じたから長考に入った。何かあると思ったら

 絶対にあきらめないこと。多くの人は成功する一歩手前であきらめている。

 成功とは、成功するまでやめないことだ。』

 

終業式の話に戻りますが、例えば学習であれば出題者の立場から、部活においては

指導者の立場からということを話しました。複数の視点を持つことは、

いろいろな意味で重要です。

例えば戦争を含む世の中の争いごとの多くは、自分の立場だけから

正しさを主張し続けることによって生じることがほとんどなのです。

 

自分の立場だけでなく、相手の立場に立ち、第三者の視点から

見たり考えたりすることが本質を見極めるだけでなく、他者に対する

優しさに繋がります。グローバル化を生き抜くことにも繋がります。

 

意識して複数の視点を持ち、物事の本質を見極め、これだと思ったら

絶対にあきらめない。これが武南の文武創造への道です。

今年度も半分経過しました。残り半分をさらに充実させ、

文武両道を実践しましょう。」