入学式 式辞
2019年04月04日
式辞
ご入学を祝うごとく、中庭の武南桜が咲き誇る、今日の良き日に、川口市長 奥ノ木信夫様はじめ、たくさんのご来賓並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに武南中学校第七回、武南高等学校第五十七回入学式を挙行できますことは、武南学園にとりまして、この上ない喜びとするところでございます。
御臨席賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可されました新入生の皆さん入学おめでとうございます。
また、保護者の皆様はじめ、本日まで支えていただきました方々に感謝申し上げますとともに、ご入学を心よりお祝いを申し上げます。
さて、武南中学校はグローバルリーダーの育成を掲げ、開校し、その第一期生が三月五日卒業しました。
素晴らしい実績を残してくれました。
今日入学する七期生の皆さん、武南中学では二年生で一週間のベトナム、カンボジア研修、四年後の高校一年生では、アメリカ研修があります。
ニューヨークでは国連での研修、ホームステイをしながら、一週間高校に通い授業を受けます。
ボストンでは、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学を訪問し、リーダーシップ研修、ダイバーシティプログラム、模擬講義を受講するなど、充実した研修です。
このような他では経験できない本物に触れる実体験を重視したカリキュラムときめ細かい指導により皆さんの良さを引き出し最大限に伸ばします。
六年間の学校生活に全力で取り組み武南中高一貫の歴史と伝統をさらに発展充実させてください。
ある有名中高一貫校の校長先生が「一貫教育がうまくいく秘訣は、先輩の優しさにある。」と言っています。
武南学園の先輩はとても優しく面倒見がいいですから安心してください。
一貫教育の良さを最大限に活用し、志を高く充実した学校生活を送ってください。
次に、武南高等学校は第五十七回の入学生を迎える伝統校で川口・蕨・戸田地区で唯一の私立高校として地域から高い評価と信頼を受けています。
この信頼、期待に応えさらなる発展に向けて、生徒、教職員一丸となって努力を続けております。
さて、本日入学した皆さんが活躍する時代、ソサエティ5.0では社会が大きく変わります。
そのために大学入試も大きく変わります。知識・技能を中心に選抜をしていた入学試験が学力の三要素、知識・技能と思考力・判断力・表現力および主体的に学び続ける力の三つを判定されることになります。
この改革の目的は、先端技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられたソサエティ5.0の世界で必要となる、人間しかできない、新しい価値を創造する力、明るい未来を創造する力を育成するためです。
武南学園はこの変化にいち早く適切に対応しています。
創立以来「真に健全で個性豊かな人間教育」を目指し、七つの建学の精神、自主・自立・自学・協同、国際人としての知性、スポーツを通じて健康な心身を養うなど、知徳体の調和のとれた人材育成に向け文武両立を高いレベルで実践してきたからです。
そこで、建学の精神を踏まえ、将来皆さんにとって最も必要となる力「創造力」を鍛えていくことを明確に表す言葉として「文武創造」を掲げて取り組んでいます。
文武創造では「文」は学んだら、行動に移し、鍛え、できるようにする、使えるようにする、形に現す。
また部活動をはじめとする「武」では鍛えた技能を理論的な視点から学び、考え、工夫することで磨きをかける。
「文は武で鍛え、武は文で磨き、創造力を育成する」
文武創造を実践して、人間しかできない新しい価値を創造する力を身につけましょう。
そのために心がけてほしいことを二点お話します。
一つ目は、不平、不満、不自由、不便をたくさん感じてください。
AIは様々な分野で人間の能力を超えていますが、そのAIは不平、不満を感じることができません。
人間しかできないことは、不平・不満・不自由を感じ課題を発見することです。
AIには課題発見はできないのです。
せっかく課題を発見したのですから、不平・不満・不自由を人のせいにしないことです。
不平・不満・不自由を人のせいにしないで不の文字を取り除く努力を続けることが新しい価値の創造につながります。
二つ目は「凡事徹底」です。
時間を守る。ルールを守る。あいさつを届ける。服装を整える。整理・整頓をする。授業に集中する。
当たり前の誰でもできることです。
学校は努力しないとできないことをできるようにするところです。
凡事徹底のようにやろうと思えばできることをやろうとしないのでは、教育を受ける体制ができていないことになります。
凡事徹底を貫き良き習慣をつくることの大切を現す言葉としてスイスの哲学者アンリ・フレデリック・アミエルの言葉を紹介します。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる。」
以上二点お願いします。
文武創造を具現化し新たな価値を創造する力を育て一日も早く「武南で良かった」と言って頂ける教育を推進して参ります。
皆様のご理解ご協力をお願いし式辞と致します。
平成三十一年四月四日 学校法人武南学園武南高等学校校長 本多昇