5月 朝礼
2019年05月07日
元号が令和に代わり、初めての朝礼が行われました。
5月の爽やかな快晴のもと、校長先生は次のようにお話をされました。
「元号も代わり、大型連休も終わり、いよいよ1学期も中盤に入ります。
連休中各部活動の活躍があり、ますます武南高校に活気がでてきました。
この勢いをさらに発展させるため、今日は皆さんにお願いがあります。
交通マナーです。
連休前に近隣の方から電話をいただきました。
武南高校生が、歩道に広がり通行の妨げになっているということでした。
また、別の方からは、ヘッドフォンをして自転車に乗っているのは道路交通法違反ですから指導してください、と。
近隣の方は、武南高校生を応援してくれています。
ですから、武南高校生の様子をよくみています。
せっかく応援しようと思っているところなのに、皆さんが道をふさぐようにして大勢で広がって歩いていたら一般の方はどの様に感じるでしょう。
高校時代は人生の中でも一番元気でエネルギーあふれる時代です。
ヘッドフォンをして、自転車ですごいスピードで走っていたら、お年寄りや小さい子どもはどう感じるでしょう。
「じゃまだ、迷惑だ」と感じるだけでなく、怖いとさえ感じると思います。
同じ道路を利用するわけですから、元気な皆さんがルールを守ることはもちろんですが、他者への配慮、譲り合いの気持ちを形で表してほしいと思います。
先日、野球の応援に行ったときのことですが、ある私立高校の野球部員は、大宮駅から球場まで2列で整然と歩いていました。
最初は立派だと思いましたが、よく見ると先頭に1人、最後尾に1人教員がついていました。
武南高校の皆さんなら自分達だけでできますね。
他者への配慮、譲り合いの気持ちは先生がいないとできないのでは困ります。
皆さんにはさらにその上を目指してほしいと思います。
それは、他者への配慮が笑顔でできるようになってほしいということです。
では、なぜ笑顔が大切かについて話をします。
脳科学者の茂木健一郎氏によると笑顔は、幸せホルモンといわれるセロトニンの分泌を促すそうです。
作り笑いでも効果があるそうです。脳の働きも活性化するそうです。
笑顔にお金はかかりません。
笑顔を向けた相手にとっては大きな価値が生じてきます。
お金もかからず、ほほえんだ方も、ほほえまれた方も幸せになり、脳の働きまで活発になるわけですから、こんないいことはありません。
笑顔で武南高校を明るくしていきましょう。
もう一つ笑顔の効用についての話をします。
ここに、「泥かぶら」という絵本があります。
泥まみれの蕪のような醜い顔の一人の女の子の話です。
親もなく、ひとりぼっち、醜いから、汚いからと、村の悪童からはいじめられ、ひどい仕打ちを受けていました。
泥かぶらはそのたびに、人を恨み、暴れ、乱暴になっていきました。
そんな泥かぶらが、旅の老人と出会い、三つのことを教えられました。
「いつも、にっこり笑うこと」「人のみになって思うこと」「自分の顔を恥じないこと」
泥かぶらは来る日も来る日もこの三つの教えを守り、自分と戦って実行しました。
人の役に立つことに心をこめて働いていました。
ある時、やっと友達になった女の子の身代わりになり人買いに連れていかれました。
その道中でも悪人にさえ笑顔で正直に尽くしたので、人買いも心を打たれ、「仏様のように美しい子へ」という置き手紙を残して去っていきました。
一人になった泥かぶらが、水面に顔を写してみると、そこには何とも優しく幸せに輝く笑顔があったという話です。
「人はみな、心についた泥を落とすことができれば、真っ白な美しい真心がおもてにも明らかになるものだ」
と結んでいます。
「笑顔」「思いやり」「自分を受け入れる」の3つが自分を美しくするということです。
脳科学的にも、絵本からも笑顔の効用は大きいことが分かったと思います。
お金もかからず、美しく、頭の働きもよくなり、自分も相手も幸せになる。
笑顔で武南高校をもっともっと明るい学校にしていきましょう。」