6月 朝礼
2019年06月03日
6月の朝礼が行われました。
校長先生は以下のようにお話されました。
おはようございます。
サッカー部、陸上部、柔道部が関東大会に出場と頑張ってくれています。
また、5月の朝礼で部活動の活躍と今年は生徒数も増え活気が出てきましたと話しました。
今日は、数の観点からものごとの考え方について話をしたいと思います。
私は大学の工業化学科を卒業しました。
そこで機器分析概論の講義をうけました。
様々な測定機器を使って分析を行うのが機器分析です。
最初の講義で教授がこういう問題を出しました。
「見た目がまったく同じ12個のボールと目盛りも何もついていない天秤ばかりがあります。
12個のボールの中に重さの違うボールが1個だけあります。
天秤は3回しか使えません。
12個のボールの中から重さの違うボールを3回の天秤の操作でみつけだしなさい」という問題です。
重さが違うだけで見た目は同じ、他よりも重いのか軽いのかも分かりませんが、3回で見つけ出すことができます。
是非皆さん考えて答えをレポート用紙にまとめて一学期中に校長室に持ってきてください。
では、機器分析の時間にこのような問題を出した理由はなんだと思いますか。
この天秤を動かすのに1回一千万円かかるとしたらどうですか。
3回で見つけられれば三千万円ですが、4回かかると四千万円かかります。
一回の測定が1ヶ月かかる実験だったらどうですか。
回数が増えるほど時間がかかってしまいます。
1回の測定に多額の費用や時間がかかる場合は、どうしたら測定回数を減らすことができるかを考えることが極めて重要です。
小学校でこれからプログラミングが必修となりますが、合理的・論理的な思考で手順や操作を工夫することで社会に役立つ力をつけるためです。
このような考え方がこれからますます大切になります。
意識して鍛えてください。
もう一つ例をあげます。
最も人口の多い国、中国は約14億人います。
この武南高校の脇の道路を4列で前後の間隔を1メートルあけて時速4kmの速度で進行したとします。
全員が通過するまでどれくらいの時間がかかると思いますか。
電卓があればすぐに計算できます。
10年以上かかります。
これを1年で通過するためには、歩く速度を速くするか、一度に移動する人数を増やすか、前後の間隔を縮めるかです。
移動速度を時速40kmにすれば、1年ですが、人間に時速40kmは無理です。
4列を皆さんが今並んでいる40列にすれば、1年で通過できます。
でもこの道路40列もいっぺんに通過できません。
前後の間隔を半分の10センチに縮めれば1年になりますが、10センチ間隔には人は収まりません。
でも、学校の脇の道路に40列は無理かもしれませんが10列なら可能です。
時速8kmなら可能です。
10センチは無理でも50センチ間隔なら何とか可能です。
1つ1つの解決策ではできないことでも3つの解決策を組み合わせれば、1年間で通過が可能になります。
数値化したり、いくつかの方法を組み合わせたり論理的に考えていくことも問題解決には有効な方法です。
また、皆さんが協力して1つの課題解決にとりくむ時に各自が自分のできることをしっかりやることにより課題が解決していきます。
これから、皆さんが活躍するソサエティ5.0の社会ではこのような考え方が重要になってきます。
社会で必要な力ですから当然、大学入試でも問われることになります。
思考力・判断力・表現力・自ら学び続ける力を授業、部活動、学校行事など全ての武南高校の教育活動で身につけてください。