全校登校日
2019年08月21日
本日は全校登校日でした。
校長先生が以下のようにお話をされました。
夏休みも、残り一週間となりました。
招集日を設けてある理由は、計画通り充実した夏休みを過ごせた人は、成果を確実なものとするために、2学期の生活時間帯にあわせていく残り1週間です。
計画通り進まなかった人は、後1週間あります。
計画の全てをこなすわけにはいかないかもしれませんが、これだけはやっておこうと思うことに1週間全力で取り組めば、かなりの部分で挽回可能です。
1週間は何もしなければあっという間にすぎてしまいます。
真剣に取り組めば思った以上の成果が期待できます。
今日の招集日を活かしてください。
さて、今日はこれから皆さんがどうしてもやり遂げなければならないことに立ち向かうときの姿勢について小惑星探査機「はやぶさ2」の話をします。
先代の探査機「はやぶさ」は数々のトラブルに見舞われましたが、様々な工夫、粘り強い努力と幸運に恵まれ大きな成果をもたらした感動は映画にもなりました。
今、「はやぶさ2」は着陸・試料採取を成功させ順調にミッションをこなしています。
しかし、1回目のタッチダウンの際、細かい砂などが巻き上がり、はやぶさ2の「目」となるカメラに付着し受光感度が落ちてしまいました。
この状態で2回目のタッチダウンを行うべきか。
タッチダウンは、一歩間違えれば小惑星に衝突するなど、地球帰還が困難になるリスクがつきまといます。
機体内のコンテナには1回目のタッチダウンで得た貴重な試料があるとみられ、このまま持ち帰るのも一つの考え方で、それだけでも十分な成果と考えられます。
ただ、小惑星の地下物質や複数箇所からの試料採取に成功すれば世界初となる。
科学的、技術的に価値の高い成果となります。
プロジェクトチームは、観測データから作成した着陸目標地点の3次元マップを使い、一つ一つ岩の高さを推定。
感度が低下したカメラなどは、事前の低高度観測で性能を再確認し、姿勢制御装置の精度を上げ対応しました。
さまざまな条件を変えた降下シミュレーションは10万回に上り、失敗が一度もないところまで突き詰めたそうです。
プロジェクトチームは「安全」と「挑戦」のはざまで葛藤する中、リスクを慎重に見極めて決断を下しました。
津田雄一プロジェクトマネージャーは「冷静な評価を行い、技術は十分あると判断した。
技術がある以上、挑戦をしない選択肢はない」と言い切りました。
小惑星の地下物質を持ち帰るという人類初の試み2回目のタッチダウン成功の理由を聞かれた津田雄一プロジェクトマネージャーは、スタッフのチームワークと謙虚であることを挙げています。
私たちは背水の陣で臨んだのではなく、初代はやぶさの経験から学び、内外から学び、一人一人の自己批判能力、これでもかこれでもかという厳しい状況を想定しそれが起こらないような準備を重ね「引くことも進めることも決断できる状態を作り上げられたこと」がうまくいった要因である。
はやぶさ1は数々のトラブルに見舞われドラマであり映画にもなった。
はやぶさ2は計画通りきちんとできているということはドラマにならない。
しかし、気合いではなく、淡々と完璧にできる技術、そういうものに感動してもらえればといっています。
皆さんがどうしてもなし得なければならないことに取り組む場合、謙虚に学び、自己批判能力を高め、淡々と完璧な十分な準備を重ねることが大切です。
気合いで運に任せる背水の陣ではなく、引くことも進めることもできる状態を作りだし冷静な判断で目標達成に臨んでください。