真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

卒業式 式辞

2020年03月05日

3月5日(木)に川口総合文化センター リリアにて第55回卒業証書授与式が行われました。

新型コロナウイルスの影響により、規模と時間を縮小した式となりましたが、多くの方々にご協力頂き、無事に式を終えることができました。

ありがとうございました。

以下に本校校長からの式辞を掲載致します。

式辞

 

本日ここに、武南高等学校第55回卒業証書授与式が新型コロナウイルスの影響で、縮小した形にはなりますが、実施できることに感謝申し上げます。

また、御臨席賜りました皆様に厚く御礼申し上げますとともに式の簡略化をお許しいただき、ご協力をお願い申し上げます。

 ただ今、呼名されました462名の皆さん、卒業おめでとうございます。

第55期生は、先ほどの表彰者の数が証明してくれていますように、学業に部活動に学校行事に実力を発揮し、武南高校の活性化と発展に大きな貢献をしてくれました。

 皆さんは、センター試験最後の年。

そして、令和初の卒業生です。大きな転換点に位置した学年です。

 変化の時はチャンスの時です。

変化の激しいこれからの社会で最も必要となる力は、創造力と社会性です。

入学当初から武南高校では文武創造を掲げ「文は武で鍛え、武は文で磨く」ことで、創造力と社会性を育ててきました。

 そこで、本日の卒業に際し、武南で身につけた力を発揮し充実した人生を送るために必要なことについて話します。

 

 ペンシルバニア大学心理学教授アンジェラ・ダックワースさんは、グリットという本の中でアメリカ陸軍士官学校(ウエストポイント)の学生に対する調査研究について述べています。

ウエストポイントへの入学は、大学進学適正検査で高得点を獲得し、高校の成績も、身体能力においても抜群の成績をとらなければなりません。

その難関を突破した才能あふれる学生であっても5人に1人は脱落してしまいます。

しかし、入学時の成績と脱落の相関関係はないそうです。

挫折に強い人、粘り強い努力のできる人が最終的に優秀なリーダーとなって卒業していくそうです。

 また、様々な業界でトップの人に共通な特徴として、情熱と粘り強さを挙げています。

そして、人間のとてつもない偉業も、特別なことをやっているわけではなく実際は小さなことをたくさん積み重ねた結果であり、「当たり前のことの継続」ばかりだということです。

武南で繰り返し話をしている「凡事徹底」の積み重ねということです。

才能よりも熱意と努力の継続が大切だということです。

アンジェラ教授はこの力を「グリット」やり抜く力と言っています。

 しかし、人間にとって時間とエネルギーは限られているので、ただ努力すればいいというわけではありません。

成功するには「やるべきこと」を絞り込むとともに「やらないこと」を見極めなければなりません。

 そのためには目的と目標の違いを明確にしておくことです。

目的は1つでも、それを達成するための目標、手段は複数あります。

目的につながる目標は粘り強くやり抜く、つながらない目標はやらない。

目的と目標を区別することにより、柔軟な対応と粘り強い努力のバランスがとれるようになります。

 「文武創造」で身につけた創造力、社会性。

「凡事徹底」で鍛えたやり抜く力は、武南高校卒業生に大きな成功をもたらしてくれるでしょう。

 

 皆さんの母校武南高校は、何か困ったことがあれば、いつでも相談できる場所です。

そして、皆さんの幸せをともに喜べる場所です。

何かうれしいことがあったら是非報告に来てください。

うれしい報告と卒業生の明るい未来を祈念して式辞といたします。

 

 

令和2年3月5日

武南高等学校校長 本多 昇