入学式 式辞
2020年04月06日
式 辞
本日ここに、新型コロナウィルスの影響で縮小した形になりますが、武南中学校第八回、武南高等学校第五十八回入学式を挙行できますこと安堵しております。晴れの入学式を保護者の皆様やたくさんのご来賓の中で行いたかったのですが式の簡略化にご理解とご協力をお願い申し上げます。
ただ今、入学を許可されました新入生の皆さん入学おめでとうございます。そして、家に戻りましたら、残念ながら参加いただけなかった御両親をはじめ、本日まで支えていただきました方々に皆さんから、皆さんの言葉で感謝の気持ちを伝えてください。そして、中学生は六年後、高校生は三年後の夢を話し合ってみてください。
さて、武南中学校はグローバルリーダーの育成を掲げ開校し、その第一期生、二期生が素晴らしい実績を残してくれました。これらの成果の源は、中学二年生で一週間のベトナム、カンボジア研修と高校一年生での、アメリカ研修です。また、多くのフィールドワーク、実地研修が用意されています。ほかでは経験できない本物に触れる実体験を重視したカリキュラムと、きめ細かい指導により皆さんの良さを引き出し最大限に伸ばしているからです。六年間の学校生活に全力で取り組み武南中高一貫をさらに発展充実させてください。「中高一貫教育がうまくいく秘訣は、先輩の優しさにある。」と言われます。武南学園の先輩はとても優しく面倒見がいいですから安心してください。一貫教育の良さを最大限に活用し、志を高く充実した学校生活を送ってください。
次に、武南高等学校は五十八回目の入学生を迎える伝統校です。川口・蕨・戸田地区で唯一の私立高校として地域から高い評価と信頼を得ています。昨年度末、新型コロナウィルスの影響により、突然の臨時休校となりましたが、他に先駆けて導入していましたICT教育を活用して、在宅での教育活動を進めることができました。この取り組みは新聞でも紹介されました。非常事態でICTの活用が進み否応なしに学校でしかできないことは何か、学校教育の本質が問われることになりました。学校教育に求められているのは、学力の三要素をバランスよく学ぶこと。そして、将来、最も必要となる力「創造力と社会性」の育成と受け止め、これを明確に示す言葉として武南は「文武創造」を掲げています。
文は武で鍛え、武は文で磨き、創造力を育成するのが文武創造です。学んだら、行動に移し、鍛え、できるようにする、使えるようにする、形に現す。また部活動をはじめとする「武」で、鍛えた技能を理論的な視点から学び、考え、工夫することでさらに磨きをかけ、自分しかできない「こと・もの」を創造する力を身に着けることです。
もう一つ武南で大切にしている言葉があります。「凡事徹底」です。時間を守る。ルールを守る。あいさつを届ける。服装を整える。整理・整頓をする。授業に集中する。当たり前の誰でもできることです。やろうと思えば誰でもできる凡事徹底を貫き、良き習慣をつくります。アリストテレスは「人格は繰り返す行動の総計である。それゆえに優秀さは単発的な行動にあらず、習慣である。」と言っています。良き習慣は良き人格につながり、良き運命、良き人生へとつながります。
文武創造と凡事徹底で皆さんの力を引き出し最大限に伸ばします。また、武南学園は、皆さんの成長と幸せを共に喜べる場所です。どうぞ安心して入学してください。
教職員一丸となり「武南で良かった」と言って頂ける教育を推進して参ります。皆様のご理解ご協力をお願いし式辞と致します。
令和二年四月六日
学校法人武南学園武南高等学校校長 本多 昇