真に健全で個性豊かな人間教育の樹立

学校法人 武南学園 武南高等学校

始業式 

2020年04月07日

令和2年4月7日 1学期始業式

校長 本多 昇 

「今こそ自学自習の力を」

 

 皆さんおはようございます。今日から令和2年度が始まります。本来であれば、武南高校から東大や北大の合格者が出ましたと、うれしい話題を中心に話をする予定でした。しかし、また明日から、12日まで休校です。これも、緊急事態宣言が出されれば、また延長となる可能性があります。誰もが経験したことのない初めての非常事態です。初めてですから現時点で最善と考える方法で対応していくしかありません。状況が変わればその都度、対応も変わってきます。

 そこで、重要なことは皆さんが指示をきちんと受け止め、守ってくれるかどうかということです。いくら政府や知事や私たちが最善と思う指示やメッセージを出してもそれを受け止める皆さんが対応してくれなくてはこの危機は乗り切れません。

 3月24日終業式に皆さんに配信した私の講話は読んでくれましたか。読んでいないということでは、いくら大切な指示を出してもメッセージを発信しても届かない、効果がないということです。自分一人くらいという甘い考えではこの危機は乗り切れません。全員で徹底することです。

 読んでいない人はホームページにアップしてありますので読んでください。胸の中の勲章という一冊の本が、年老いたお母さんの人生を、人格を、生き方を見せてくれて、周りの人を変えたという話です。目の前にいる人の過去も未来も見えません。胸の中の勲章も見えません。見えませんが誰でも過去も未来もあるのです。人は見えるものしか見えませんが、見えているものが全てではありません。正しいわけでもありません。また、見えない危険もあるのです。その一つが新型コロナウィルスなのです。見えないのですから自分は大丈夫というのはまったく根拠がないのです。しっかり指示を守ってください。

 SF作家のHGウエルズが今から、100年以上前に書いた宇宙戦争という小説があります。火星人が地球に攻めてくる話です。圧倒的な科学力の差、武器の差で人類は戦争に敗れてしまいます。しかし、15日目、主人公が閉じ込められていたところから抜け出し、そこで見たものは、「火星人たちの死体だった。彼らを倒したのは、人間の武器や策略ではなく、病原菌であった。地球の人間と違って、これらの病原菌に対する免疫が全くなかった火星人たちは、地球で呼吸し、飲食を始めたことにより見えない病原菌に撃退された。」という話です。

 火星人は戦争に勝利した気のゆるみもあり病原菌は見えないので、敵はいないと思い、見えない敵に対する対策を怠ったのです。新型コロナウィルスという見えない敵ですが、皆さんは敵がどこかにいることはわかっています。感染防止はどうすればよいかわかっています。また、規則正しい生活で免疫力を高めることが大切ということもわかっています。わかっていたら実行しましょう。そして、この期間は学校の時程に合わせてICTを活用して自学自習の力をつけましょう。規則正しい生活で免疫力を高め、自学自習の力と習慣を定着させピンチをチャンスに変えましょう。

 指示を守り、自分を守り、周囲を守り、この期間も皆さんが成長を続けることを期待して、始業式の挨拶とします。