自主・自立・自学・協同で非常時を乗り切りましょう
2020年05月01日
「自主・自立・自学・協同で非常時を乗り切りましょう」
武南高等学校長 本多 昇
武南高校生の皆さんおはようございます。行事予定では、5月1日は朝礼でしたが新型コロナウイルスの影響により臨時休業となりましたので、校長講話をクラッシーで配信します。はじめに、臨時休業ですが県の要請で、さらに延長されて5月31日までとなりました。すでに自宅学習の大変さを痛感していると思います。先生方も様々な工夫をして家庭学習の充実の支援をしていますが学校での学習のようなわけにはいきません。そこで、こういう時こそ武南にある七つの建学の精神を思い出しましょう。その中の最初にある「自主自立自学協同を本旨とする」を実践し家庭学習を充実させましょう。
では、この建学の精神を少し詳しく見ていきましょう。広辞苑によると『自主』は「他人の保護や干渉を受けず、独立して行うこと」と説明されています。『自立』は「他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること」です。『自学』は「人にたよらず自ら学ぶこと」です。『協同』は「ともに心と力をあわせ、助けあって仕事をすること」です。さて、今年度から大学入試改革の大きな動きのひとつ「大学入学共通テスト」が始まります。入試改革は、これからの社会で必要な力の育成のために進められています。今までの大学入試では学力の三要素の中の「知識・技能」を中心に合否判定してきました。これからは、あとの2つ「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」も合否判定に含まれることになります。今、大学入試で試される力と、半世紀以上前に掲げられた武南の建学の精神と比べてみてください。どうですか?これから皆さんに必要となる力の育成を創立当初から目標に掲げていたのです。
武南高校では建学の精神に基づき学力の三要素をバランスよく身に付け、さらに、これからの社会で最も必要となる力、創造力を育成していくために「文武創造」を掲げています。学んだだけでは、何も変わりませんから、文は武で鍛え、できるようにする。使えるようにする。形に表す。また、武で身に付けた技能を様々な観点から学びなおし、考え、創意・工夫をすることで、武は文で磨き、自分にしかできない「こと」「もの」を創造する力を伸ばしていきます。
ここで、創造力を身に付ける効果的な方法をもう一つお話しします。今、新型コロナウイルスの影響でずいぶんと不自由・不便な生活を送っていることと思います。しかし、こういう時こそ創造力を伸ばすチャンスでもあるのです。不平、不満、不自由、不便を大いに感じることです。人間の能力をはるかに超えるAIですが不平・不満・不自由は感じることができないのです。人間しか感じることができないのです。感じた時が新たな価値の創造のチャンスです。つぎに、不平・不満・不自由・不便を絶対に「他人のせいにしない」これを心がけてください。他人のせいにしていては、なにも解決しません。そして、そこから「不」の文字を取り去るにはどうしたらよいかを考えるのです。このような状況でも、このような状況だからこそ、創造力を鍛え、自らの成長に繋げましょう。
それでは、自主自立自学協同を実践し、臨時休業期間中に出された課題は、必ず終わらせて報告・提出をしましょう。また、緊急事態宣言の趣旨をしっかりと受け止め、感染拡大防止の徹底を図り、一日も早い授業の再開を目指して、一緒に頑張っていきましょう。
令和2年 5月朝礼 (411KB)